第79話 =終わって始まる物語=
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する。ここを見れないユイのために録画しているらしいが間違ってもクラインに渡してはいけないとマジで思った。
「そういや、リクヤよぅ。サウス嬢は来ねぇのか」
「うん、来ないよ」
シレッといいのける。サウスこと美菜実はこういうの好きそうなのだが誘ってみたところ「あーわたし、ちょっとその日用事があるから…」とのことらしい。ともかくダイシーカフェにアイツは来ないのだ、ということを説明したクラインは…
「なんだよ、同じサラマンダーだからいい機会だって思ったのによ」
「駄目だ、こいつ」
「そうですよ、クラインさん。もう少し自重なさったほうが…」
キリトとは反対のスツールから声が聞こえた。こちらもクラインと同じスーツ姿だがビシッとしておりまともなビジネスマンという印象を持てる。その人物は元《軍》最高責任者、シンカーさんだ。
「…人生の先輩に言われちゃしかたないっすね」
クラインはそういってチビチビと酒を飲み始める。
「クラインのおかげで思い出したけど、ユリエールさんとの結婚おめでとうです」
「俺からも。おめでとうございます」
俺はオレンジジュースの入ったグラスを掲げてカチンとあわせ、俺の奥にいるキリトも身を少々乗り出してシンカーさんのグラスをカチンとあわせる。
「いやまぁ、現実に慣れるのはまだ精一杯ですけどね…。ようやく仕事も軌道に乗ってきましたし」
「うん、実にめでたい!!くっそぅ、俺もあっちで相手見つけとけばよかったぜ」
ここで向こうでどうがんばってもお前に相手は無理だ、と聞こえてこないのは皆の優しさだろう。
「そういえば見てますよ、新生《MMOトゥデイ》」
「いや、お恥ずかしい…。まだまだコンテンツも少なくて……そてに、MMOの事情じゃ攻略データとかニュースとかは無縁になりましたしね」
へぇ、そんなもんなのか…。俺はSAOに触れるまでネトゲ系はほとんど判らなかったからコンテンツが多いとか少ないとかわからないが、隣で和人とクラインはうんうんと頷いていた。
「まさに宇宙誕生の混沌って感じだもんな」
「だな。……そういやどうなったエギル。あの後、《種》の方は?」
和人は目の前でシェイカーをシャカシャカと振っているウェイターに話しかける。
「すげぇもんさ。今、ミラーサーバがおよそ50……ダウンロード総数は10万、実際に稼動してる大規模サーバが300ってとこかな」
和人が茅場から託された種…世界の種子はナーヴギア内にいるユイからメモリチップに落とされ、エギルの手によってその種を出芽することに成功した。その芽吹いたものは『フルダイブ・システムによる全感覚VR環境を動かすためのプログラム・パッケージ』だった。エギルの絶対に危険性のないという報告後
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