第79話 =終わって始まる物語=
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わっていく。
「月蝕…?」
「いつか見てみたいけど今回のははずれ。……そうだなぁ…耳、済ませてみろよ」
リーファは素直に月を見ながら耳を済ませている。その時、アルヴヘイムでなっていた音とは違う鐘の音がアルヴヘイムの鐘とあわせて鳴り響く。それと同時に月蝕と思われていた影が月全体に覆いかぶさりその輪郭が全て俺たちの目に入る。と、突然その物体自体が発光し、細かい部分まで目に入るようになる。その細かい部分とは建物、とてつもなく大きい層が何十も連なっている。建物にしては規格外の大きさを誇る全長10キロ以上の『城』。
「…あ、あれって……まさか…!」
「そ。…あれが俺たちの2年間いた城『浮遊城アインクラッド』だ」
「っ!!……で、でもなんでここに?」
会話の間にアインクラッドはその速度を緩め世界樹の上部の枝とわずかに接するほどの距離で停止した。
「データが残ってた云々とか…ま、難しい話はわかんないけど…目的ならあるよ」
「え…」
「完全クリア」
俺の話した目的に関しては完全にハテナを浮かべている。外部の人間はあのデスゲームがどうやってクリアされたのかを知らないのは当然だし、なので100層攻略したと考えるのが普通だ。でも、実際は俺とキリトが75層でヒースクリフさんとのデュエルで勝ち、本来のルール通りとはいえないがクリアしてログアウトしたのだ。
「ほんとはちょっとズルして帰ってきたからね…今度こそ1から全部攻略しきってあの城を完全制覇するんだ。…リーファ」
ポン、と頭に手を置いて言葉を続ける。ちょっと背の差があるんじゃないかって突っ込みはやめてくれ。
「泣き言になっちゃうけど…あの城って死ぬってペナルティがなくても難しかったんだ。だから俺と、俺たちと一緒にあの城制覇するの手伝ってくれないか?」
「…あ……」
リーファは俺の顔を直視して、また涙を流す。一瞬、俺間違ったこと言ったかと慌ててしまったがリーファは首を振って悲しみで泣いているんじゃないということを訴えてくれた。その証拠に今の彼女の顔は笑顔だ。
「うん、行くよ……どこまでも…一緒に…!!」
「やりっ!」
じゃあ、行こうぜ!と言おうとした瞬間に下から聞いたことのあるお調子者っぽい声が聞こえてきた。その方向を見ると紅い髪にバンダナを巻いて、腰に刀を差したお調子者クラインが。
「おーい、遅ぇぞリクヤ坊!」
さらにその下にはノームの証の褐色肌を光らせて、巨大なバトルアックスを背に担いだエギル、レプラコーン専用の銀色のハンマーを携えたリズ、こちらでもピナと再開できたシリカはそのピナと並んで飛んで黒い尻尾をたなびかせている。他にもユリエールさんとシンカーさん、ふらふら運転なサーシャさんにいつの間に着たのかサ
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