ALO編
episode6 会議の席、勇者の底力4
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「奢らねーぞ?出世払いだからちゃんと返せよ?」
さらりと、告げる。
驚くアリシャの抗議を、若干ずれた回答で誤魔化す。そんな金があるんだよ、申し訳ないことに。まあ俺の力で手に入れた金では無いので、この辺で使うのが一番正しかろう。しかし出世払いって。コイツもう既に領主だぞ、これ以上どう出世しろってんだ、と内心では自分で自分に突っ込みを入れてしまうところだ。
「帰り次第、《天牛車》でレプラコーン領まで向かう。確か今いる飛竜は全部で十頭、あれだけの巨大な金属鎧なら流石に運搬手段が無いと困るだろうしな。多分一日そこそこあれば『虹の谷』を経由してそのままアルンに入れるはずだ。そっちも準備が出来たら向かってくれ」
「《天牛車》はいいけド、……い、一日ダヨ?一晩中ログインするつもり?」
「んなくらい、なんともねーよ」
何ともない。あの世界で俺は二年ログインしていたのだ。たかが一晩など論じるまでもない。
それに、キリトのこともある。さっきはそれほどでもなかったが、あいつはあのキリトなのだ。アルンに着いたらよほどのことがない限り一気に世界樹へと突っ込んでいくだろうことは、想像に難くない。出来れば何とかして誰か一日ほど足止めしてほしいものだが、今更そうも言えない。
(リーファが、一日休もうとか言ってくれればな……)
キリトと行動を共にしていたシルフの少女に想いを馳せるが、それもまあ今更だ。
とにかく、今は急ぐしかない。やるべきことは多い。
送ったメッセはすぐに帰ってきた。流石ブロッサム、タイプが速いな。
『了解しました。急ぎであるならこちらで先に《天牛車》を借りて出発致しましょう。貴方は途中の中立村で追いついて貰う方がいいかもしれません。モモカさんも喜んで同行してくれるそうですので、道中は問題ないでしょう』
よし。「了解」とだけ書いたメッセージを返す。
ブロッサムはステータス構成は典型的な魔法使いだが、初めて俺と会った日に見せたその身のこなしと杖を使った打撃もそれなり……いや、かなりのレベルだ。モモカの音楽での支援があれば、道中のMobやそこらの雑魚PK野郎達には遅れは取らないだろう。
そして、心配そうにこちらを見るアリシャに一礼して、徐々に高度を落としていく。
落として、落として、そのまま。
「おおおおっ!!!」
足を使ってスピードを保ったまま着地、勢いそのままに走りだし、一気に加速。やっぱり俺にはどうもこっちの方が性に合っているらしい。限界までスピードを振り絞っている訳ではない上空のケットシー・シルフ混合部隊よりも速い速度で駆けだし、彼らを置き去りにしていく。
「お、おいっ、大丈夫なのかーっ!?」
「こ、ココー、『蝶の谷』
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