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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第51話 客人
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会の聖剣使いよ。そしてそんな娘と一緒にいたってことは、おそらくイリナもね。つまり今までも彼女はたぶん私達悪魔と戦ってきてる」

「……それが俺たちだけと仲良く出来るわけ無いってか。……なあ火織、悪魔になったのは間違いだったのかな?」

「後悔してるの? どちらにせよそれはあんたが自分で決めることよ。少なくとも私は後悔してないわ」

「幼馴染と仲たがいしても、か?」

「……幼馴染と家族、どちらを取るかと言われれば……私は家族を取るわ」

「そっか、黒歌姉達がいる以上、俺達が悪魔になろうとなかろうと……」

 そう言ったあと、イッセーは何かを考えるように黙り込んだ。それに今のイッセーの言葉……そう、ここで敵対するのは分かってたこと。こうなることは分かった上で悪魔になったんだから。大切なのはこれから。

 とにかく原作通りに運べば教会とも和平を結べて昔みたいに仲良くなれるはず。でもこのままだと……皆が危険に晒される。原作では皆無事だったけど、イリナの性格があんなに変わってたことを考えるとどんな事態が起こるか分からないし……困ったわね。とにかくまずは明日の交渉……か。

 その後部長が血相を変えて家に飛び込んでくるまで、私とイッセーは黙ったままソファーで物思いにふけっていた。







   ☆







 ゼノヴィアの後をついてイッセーくんの家から出る。さっきの火織ちゃんの言葉、私のことを考えて言ってくれてた。火織ちゃんは、それに多分イッセーくんも悪魔になっても昔と変わってない。私にとってのヒーローと、そのヒーローに一緒に憧れる大事な友だち。つまりこんなことになったのは全部……

「むっ」

 とその時前を歩くゼノヴィアが足を止めた。なんだろうと思い前を見てみると、火織ちゃんの家の門柱に背中を預けて腕組みしてる綺麗な黒髪の女性が……この気配、悪魔?

「あんたたちがなんの目的でイッセーの家にいたか知らないけど……私の大切な妹と幼馴染に手を出したらただじゃおかないから」

 その言葉の後に彼女の影からもう2人女の子が出てくる。長い黒髪の女の子と白髪をショートにした女の子。……そう、今の言葉、つまり彼女たちが……

「あなたの、あなた達のせいで火織ちゃんは……!」

 私はぎゅっと手を握って彼女たちを睨みつける。と、そこでゼノヴィアが私の肩を掴んできた。

「落ち着けイリナ。ここではなにもしないと主に誓った上で来たはずだ」

 そんなの、そんなの分かってる! でも、でもこいつらさえいなければ火織ちゃんも、それにイッセーくんだって……!

「認めない。私はあなた達なんて認めない!」

 私は腰の紐を手に取り、その姿を刀に変えて彼女たちに突きつける!


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