暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第3章 さらば聖剣泥棒コカビエル
第51話 客人
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し、違うんでしょ?」

 そのイリナの質問にアーシアは

「私は……今でも主を信じています。それどころか今のほうが昔よりも信仰心が強いと思っています」

 とはっきり言った。その言葉にイリナたちは驚いているな。

「私は教会を追い出された後も、悪魔になった後も信仰心を忘れたことはありません。教会にいた頃ずっと1人ぼっちだったのも、教会を追い出されて辛い思いをしたのも、……その後殺されそうになったのも全部主の私に対する試練だと思って……いえ、思い込もうとしていました」

 その言葉を聞いてレイナーレは苦しそうな顔をした。でも今度はさっきとは逆にアーシアがレイナーレの手を握り締める。

「でも! それは違ったんだってことがここに来て分かったんです! 私はこれまで主を言い訳に使っていただけなんだって! 依存して、目の前のことから逃げていただけなんだって! 自分で考えて、自分の意志で答えを出すようになって私の世界は変わりました。怖いものだと思ってた悪魔の皆さんは優しくて、私を殺そうとしたレイナーレさんは今では私の一番の親友です。欲しかった友だちもいっぱいできました。それに……教会にいた頃私は限られた方にしかこの力を使えませんでした。滅多に外に出して貰えませんでしたし、治療するのも教会の方が連れてきた方だけで……でも今は違います。目の前の傷ついている人を、皆を治療することが出来るんです! 種族に関係なく誰でも! 私がこの地に来てイッセーさんに、皆さんに出会えたことは主のお導きだったんだって、私は信じています!」

 ……アーシア、そんなふうに思ってくれてたのか。初めて会った頃は頼りなさ気な、儚い少女って感じだったのに、よくここまで……。

「……そうか」

 ゼノヴィアも今の言葉を真剣に聞いてたのか、神妙な顔になって…………表情が変わった!? いきなり鋭い目つきになって厳しい顔つきになったぞ!?

「アーシア・アルジェント。お前の信仰は間違っている。悪魔になることが主の導きだと? そんなはずがないだろう。もし本当に信仰を忘れていないというならば、お前のとるべき行動は1つだ」

 そう言うとゼノヴィアは……エクスカリバーをアーシアに突き付けた!?

「今この場で私達に斬られろ。神の名のもとに断罪してやる。慈悲深い我らの神ならば、信仰の間違ったお前でも救いの手を差し伸べてくれるはずだ」

 こいつ、何ふざけたこと言ってやがる!?

 俺と……同時にレイナーレがアーシアとゼノヴィアの間に割って入った。

「ふざけたこと言ってんじゃないわよ」

「アーシアに触れてみろ。俺が許さねぇぞ」

 こんなに腹が立つのはレイナーレと戦った時以来だよ。でもあの時は同時に後ろめたさもあったけど、今は怒りしか感じねぇ!


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