4 主人公との接触
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「今日は」
「え? は? え? 」
柚香がにこやかに話しかけているのとは対照的に蜜柑は混乱したかのように意味のなさない単語を羅列している。
・・・いきなり目の前に自分と瓜二つの少女が現れたら誰だって混乱して当然か。
「はじめまして。俺は安積清見、こっちのお前にそっくりなのは安積柚香。お前は? 」
「うちは佐倉蜜柑。あんた等は何でいきなり目の前に現れたん? 」
「いきなり目の前に現れたわけじゃない」
「清見、それじゃ意味不明だって。もうちょっと判りやすく言おう」
「柚香は夢使いだ」
俺の説明に対して柚香は呆れたようなため息をついた。
「もういいわ。私は生まれたときから夢から夢へ移動することが出来るの。夢の中に入らずに夢を覗くこともできるけど夢に入らなければ存在に気付かれないの」
「解ったか? 」
蜜柑はあまり理解できてないようだがそれでも考えて答えをひねり出した。
「つまり、柚香と清見はずっと目の前に立ってたけどうちが気づいてなかっただけってこと? 」
「そういうことだ」
「夢の中を散歩してたら偶然、蜜柑ちゃんを見かけて、私にあんまりそっくりだから声をかけようと思ったんだけど夢の中に入るのを忘れてたから私たちの存在に気付いてもらえなくて・・・」
「夢の中に入ってないのが原因だから夢の中に入れば良いってことに気付いたけど蜜柑の目の前で夢の中に入ったらいきなり目の前に現れることになるという事には気付かなくてな」
「驚かせてゴメンね? 」
「ううん。別に構わへんよ」
「柚香、そろそろ時間だから帰るぞ」
「え? 今何時? 」
「だいたい07:00ぐらいだな。てことで蜜柑、また明日」
「蜜柑ちゃん、またね」
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