鋼の錬金術師
傷の男
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
少年――『鋼の錬金術師』――と会ってから約二年が経った。大きな戦が発生しない所為か昇進のチャンスがない。いや、別に戦う事だけに長けている訳じゃないんだけど。
「シルバーバーグ大佐ー」
「うぃー?」
「『綴命の錬金術師』の護送任務に大佐も連れてけだってよ」
「えー?ヒューズ中佐とアームストロング少佐だけでいいじゃんよ」
「最近何かと物騒ですからな。グラン准将も何者かにやられてしまいましたし」
「……はぁ、仕方がない。行ってやりますか」
仕事も一段落終えたし、イーストシティまで付き合ってやりますか!
〜〜〜〜〜〜
「……と思っていた時期が私にもありました」
イーストシティに付き添いで来た私だが、何だか変な事態になってるみたい。
「おいおいマスタング大佐よ。俺ぁ生きてるタッカー氏を引き取りに来たんだが……死体連れて帰って裁判にかけろってか?」
「どーゆー事だよ!?Do you Know!?」
「静かにしてくださいシルバーバーグ大佐」
「うぃー」
「たくよー俺達は検死する為に態々中央から出向いた訳じゃねえっつーの」
「こっちの落ち度は分かってるよヒューズ中佐。とにかく見てくれ」
「ふん……自分の娘を実験に使うような奴だ。神罰が下ったんだろうよ」
死体に掛けられた布をヒューズ中佐がめくる。全身血だらけでぼろぼろになった死体がそこに会った。イシュヴァールでもなかなかお目にかかれなかった死体だな。
「うええ……案の定だ」
「何か内側から破壊された跡がある……(錬金術か?)」
「憲兵も同じ死に方をしていたそうだ」
「どうだアームストロング少佐?」
「ええ、間違いありませんな。“奴”です」
〜〜〜〜〜〜
“奴”、とは傷の男の事だ。素性不明、武器不明、目的不明で神出鬼没。トーレドマークの額のバッテン傷しか分かってない闇に紛れし暗殺者。
「―――ま、ここらで有名所と言ったらタッカーと後はお前さんだけだろ?」
「…………」
「タッカーがあんなになった以上、お前さんが気を付けてさえいれば……」
「不味いな……」
「?おい!」
「エルリック兄弟がまだ宿にいるか確認しろ。至急だ!」
「あ、大佐。私が司令部を出る時に会いました。そのまま大通りの方へ歩いて行ったのまでは覚えています」
「こんな時に……車を出せ!手の空いてる者は全員大通り方面だ!!」
「行ってらー」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ