第三十話 少年期L
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って来た服を見せてくれた。その目はキラキラと輝きながら、こちらの反応を窺っているようだった。その様子にまるでワンコみたいだな、と想像してしまい小さく噴き出してしまった。
「む、なんで笑うの」
「ごめんごめん、ただの思い出し笑いだよ。うん、その服いいと思うよ。アリシアも自分の欲しい服は見つかったのか?」
「あ、うん。だけどどっちの色にしようか迷ってて……。お兄ちゃん、選んでくれる?」
「あぁー、いいけど。あんまり俺のセンス期待するなよ」
「はーい」
いや、そこはそんなにいい返事を返さなくても。元気よくうなずく妹。俺ってそんなにセンスがないように見えるのか。……見えるんだろうなぁ。それに少し落ち込みながらも、俺は店の奥に行くアリシアの後を追いかけていった。
『なんだかんだで仲がよろしくて何よりですね』
「えぇ、本当にね」
******
さて、今日は家族でデパートへとやってきました。さすがにリニスをデパートに連れて行くのは難しかったため、今日はおとなしく家で待ってもらっている。それにケージの中に入るの、リニスはわりと本気で嫌がるし。現在冬真っ只中だから、家でぬくぬくしているのだろう。
なので、コーラルを入れて俺たち4人で買い物に来ることになった。もう2ヶ月ぐらいで始まるであろう学校の準備を揃えに来たのだ。学校で必要な道具や、服などを買い物メモを見ながらみんなで選んでいた。
「ふぅ、結構買ったなー。学校の準備って大変だわ」
『そうですね。学校側からある程度は用意してくれますが、必要な物も多いですしね』
「学校かぁー」
現在母さんと俺たち3人は別行動をしている。というのも、さすがに疲れた俺とアリシアがベンチでダウンしているのが現状だったりするけど。遠くに行かないことを約束して、母さんは残りの買い物を済ませてくれていた。
そんなわけで、俺たちはおしゃべりをしながら待つことにした。学校のことについて話していると、アリシアからぼんやりとした口調でつぶやく声が聞こえてきた。たぶんまだ学校のイメージがわかないのだろう。学校選びの時もよくわからなさそうにしていたし。
前に学校のパンフレットを見せてもらったけど、ミッドって学校がそれなりの数あるのだ。人口が多いのもあるが、専門学校が多数あるのも大きいのだろう。
「結局は2人とも普通の魔法学校に通うことになったけどな」
『ますたーもアリシア様もリンカーコアはありますからね。マイスターもできれば同じ学校にしたいとおっしゃられていました』
春から通う学校はクラナガンにある初等部・中等部が合体したそれなりの規模がある魔法学校である。大きいのは生徒数が多いこともあげられる。多種の専門教科を学べ、普遍的な知識と魔法についても
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