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恋姫〜如水伝〜
十二話
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そう言って涙を流して感謝の言葉を言い、劉備は自分の軍に戻って行った。

「なかなかの名演技だったわね」
「私はただ笑っていただけだ、君ほどじゃない」
「それにしても、劉備か…。貴方、何か知ってる?」
「劉備については知らないが、隣にいた関羽と諸葛亮については多少知っている」
「どう言う者なの」
「関羽は以前、盗賊退治で名を上げていた者だ、噂ではかなりの武勇の持ち主だとか。諸葛亮は水鏡と言う者に教わり、秀逸のといわれた程の者だそうだ」
「そう、そう言った者を従えている所を見ると、劉備の度量も伺えるわね」
「二日後には、砦が確認出来るだろう。聞くところ、劉備もそこに向かうようだ、君の言う通り、本当に他の諸侯も来るのかも知れないな」
「当然よ、私の勘って外れないの」
「そのあたりが私のどうやっても真似できない所だな、私は物事を都合の悪いようにばかり考えてしまう」
「それを一々解決させていくのは大変ね。でも、それを克服するのには多くの情報を知る事、その為の探究心が貴方の知性の本質なのかもしれないわね」
「そうなのかもしれない」

華琳と話をしながら如水は、別の事を考えていた。
今回、如水は当初、今向かっている砦を軽視していた。だが、今では無視できない重要な場所である。そこに向かうように決めたのは華琳だった、あの軍議の場で、如水は華琳より早く、あの場所を知っていた、だが、無視しても構わないものと思っていた。しかし、華琳はあの時点でこうなる事を解っていた予感があるようだった。
如水にとって今回のような経験は初めてではなかった。如水にその経験をさせたのは、信長と秀吉の二人である、あの二人は、今回の華琳の様にまるで予知するかの様にモノが見えていたように思う。
その事を思い出し。やはり曹孟徳には信長と秀吉と同じように天下を取る可能性を秘めているのかもしれないと思い、自分の新しい生涯の目的がわかった気がした。





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