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第二十七話 あがき、敗北
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し、目の前の男は耐えていた。
人に耐えられるはずもないような重量を、魔力を使い果たし気絶しているとは言え、五体満足で特に体の内外に大きなダメージを受けることなく耐えきったのだ。
『……素晴ラシイ。』
かつて生きた戦乱の世にすらいなかった豪傑。そう言っていいだろう。
もしも敵でなければその生存を喜び、自分の陣営へと招き入れただろう。
しかし、今回はそうはいかない。
『実ニ惜シイガ……。』
そう呟くと、機械王の体がまたぼんやりと光り始め、森から出てきた機械部品によって誠也から受けたダメージが回復していく。
先ほど飛ばした右腕も戻ってきていて、光が止むとそこには完全に元の姿に戻った機械王がいた。
『死ンデモラウ……!』
きつく握りしめた拳を構える。
かつての戦いを彷彿とさせる戦い。
命を真正面から正々堂々と削りあうぎりぎりの緊張感。
そんな戦いを共に演じた相手を殺さなければならない。
名残惜しさを強くその身に抱き、その紅い宝玉はまたギラリと輝く。
『サラバダ!!!』
拳が誠也に向かって繰り出される。

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