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第二十七話 あがき、敗北
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チャージに費やすことのできた時間は約12秒。
それだけの時間があれば、誠也は最大威力のディバインバスターを放つことができた。
その威力は恐らく全盛期の高町なのはのスターライトブレイカーにも匹敵するだろう。
それだけの威力ならば、機械王の理不尽とも言える防御を貫ける。
事実、砲撃の止んだ後の機械王の姿はボロボロであった。
全身の装甲の一部がはがれおち、ひどいところでは内部の機械が見えてしまっている部分もあるくらいだ。
最もひどい部位は左腕で、肘から先にあたる部分が完全に消失していた。
人で言えば満身創痍。それほどまでにボロボロの状態だった。
『……ヤルデハナイカ。タカマチセイヤ。』
唯一ほとんど無事な右腕を下ろす。
下ろしたことで見えるようになった紅い宝玉は先ほどまでのぎらついた輝きを失い、鈍く点滅している。
『単身、我ヲココマデ追イ詰メル者ガイルトハナ。初メテダ。』
機械王は誠也をそう称賛する。
しかし、誠也はそれを素直に受け取れない。
内実を考えて見れば、どう考えても誠也の方がボロボロだからだ。
表だった外傷という点では明らかに機械王の方が重症に見える。
ただ、機械王は機械部品を使った再生と言う手段を持っているため、肉体の損傷は一時的な戦力減少にはつながっても、大局的に見れば大差ないのだ。
一方の誠也は、残り少ない魔力の大部分をディバインバスターにつぎ込んだせいで、ほとんど魔力が残っていない上に、先ほどからずっと続く紙一重の攻防のせいで心身共に疲労が蓄積している。
目立った外傷こそ何一つないとはいえ、明らかに誠也の方が不利だった。
「よく…言う……。お前の方が……まだ…余裕があるだろうが………!」
出てくる言葉も尽きかけた体力のせいで途切れ途切れながらも誠也は反論する。
『確カニソノ通リダ。ダガ、問題ハソコデハナイ。カツテ、幾多ノ王タチト闘ッタ時デスラ、我ヲ単身ココマデ追イ詰メル者ナド皆無デアッタ。シカシ、貴様ハドウダ。我トタダ一人デ戦イ、我ヲココマデ追イ詰メテイルノダ。誇ルガイイ。』
その声は機械ゆえに無機質でありながらも、聞くもの全てが称賛を感じ取ることができる声だった。
機械王は本当に心の底から誠也の事を称賛しているのだ。
しかし、だからこそ最後まで全力を尽くし、狩り獲る。
『ダカラコソ、ココデオ別レダ。死ヌガヨイ。』
機械王は右腕を前に突き出して構える。
「まだ……、分からない……。最後まであきらめない……!」
震える足で誠也はもう一度立ち上がり、戦う構えを見せる。
だが、心のどこかで思っていた。
もう一度はじめから戦えたなら分からないが、今のまま戦っても決して勝つことはできないと。
でもそれでも、死ねない。
その思いだけで誠也は立ち上がり、戦っている。
そして、それを見て最後の攻撃
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