暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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動し、墓地に大きな穴が空きました。これで棺を納める墓穴の準備は終了です。

「こちらの準備は終わったぞ」

 父上が声をかけると、黒い礼服を纏った母上達が棺をこちらへ運んで来ます。そして墓穴の前に棺が置かれると、棺の蓋が開けられました。

 そこには美しい顔をした一人のエルフの姿がありました。母上やマリヴォンヌが「せめて死に姿ぐらいは……」と、色々と頑張ってくれたのです。

「お母さん」

 テファの口から、かすれた声が漏れました。そんなテファをマチルダが抱きしめ、マリヴォンヌ一家がその周りを固める様に立っています。

「テファ。シャジャル様に花をそえてあげようね」

「うん」

 マチルダに言われテファが頷きます。そこでディーネが花を持って行くと、一輪だけ受け取り黙ってシャジャルの胸元にそえました。それにマチルダ、マリヴォンヌ一家と続きます。

「すまんな。ちゃんとした葬儀にしてやりたいのだが……」

「いえ。葬儀を行えただけで十分ですわ。本当にありがとうございます」

 父上がマチルダに謝り、逆にお礼を言われていました。本来なら埋葬するだけだったのですが、それだけではあまりに不憫と言う事で、人払いをして葬式っぽくしただけです。葬式と言うには、余りに簡素と言うほかありません。ドリュアス家もシャジャルの立場が立場なので、おおっぴらに葬式を出してあげる訳にも行かなかったのです。

 やがて全員が花を添え終わります。

「……お母さん」

 そのまま動けなくなるテファ。別れの時間は出来るだけ長く取ってあげたいですが、流石に無限にと言う訳には行きません。暫くするとマチルダがテファを棺から離し、蓋を閉じると母上が魔法で棺を穴に納めました。

 テファがすすり泣く声をBGMにして、棺を埋める作業は流石にクルモノがありました。

 その後にテファの態度も幾分マシになりましたが、とても喜ぶような気分ではありませんでした。

 葬式が終わって何週間か経つと、テファも少しずつ元気になりエルウィングと仲が良くなりました。2人の立場が何かと近いので、これは必然と言っても良いでしょう。同様にマチルダとマリヴォンヌ一家も仲良くなっています。その一方で他の人間とは、まだまだ時間がかかりそうです。

 マチルダはマギ商会と諜報部を掛け持ちさせました。これは私の片腕として教育する為の処置です。テファは人間を見ると怯えてしまうので、まだしばらく様子見をする事にしました。徐々に馴らして行けば良いでしょう。

 テファとマチルダについては、こんなところですね。



 そして次は、ディーネとアロンダイトについてです。

 あの名付けが原因で、仲が上手く行っていませんでした。名前を呼ぶ度にアロンダイトが機嫌を損
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