暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第52話 フラグが……泣きたいです
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らはスピード勝負だ。騒ぎになる前に神官と無関係な商会(注 ガリアの王党派と懇意にしている商会)へと向かい、同様の手口で商会に忍び込む。今回商会長の部屋へ突入するのは、ギルとティアだけだ。そして私は話しがある程度進むまで部屋の外で待機する。

「……では、それが可能な者達に心当たりは ッ!? 誰だ!!」

 ギルが話の途中で、ドア(こちら)を見ながら声を上げる。私はそれを合図に部屋へと入った。

「私よ」

「驚かせないでくれ」

 ギルがホッとした様に息を吐く。エルフが1人増えたので、商会長の震えっぷりが凄まじい。今にも気絶してしまいそうだ。

「それで何かあったのか?」

「2人の行方が分かったわ」

 ギルが満足そうに頷く。

「それで2人は……」

「アルビオンよ」

「アルビオン? あの空中大陸のか?」

「ええ。そこで殺されたらしいわ」

「ッ!! な なんだと!!」

 ギルの顔が驚愕に染まり、その驚愕がやがて憤怒へと変わって行く。……ギルも演技が上手い。

「な 何故だ!! 何故あの2人が死なねばならん!!」

「なんでも“妾と庶子の身代わり”だそうよ。モード大公とか言う人に“エルフと姦通する異端者”と、レッテルを貼りたいらしいわ」

 私は冷淡に、表情を一切動かさずに言い切った。自分で言っておいてなんだが、白々しい芝居にボロが出て居ないか物凄く心配だ。

「なっ では、自分達の勢力争いの為に、無力な母娘(おやこ)をわざわざ攫い殺したと言うのか!?」

 私が頷くと、ギルは怒りにまかせて机を蹴り飛ばした。次いで「人間が!!」と吐き捨てながら、商会長に刃を振り上げる。

「待ちなさい」

 そんなギルの手を私が掴んだ。演技がわざとらしくなっていないか、もの凄く心配だ。

「止めるな!!」

「その人間は無関係なのでしょう。私達は人間とは違う。無関係の者まで手を出してはダメよ」

「……くっ」

 ギルが剣を降ろし、悔しそうにうつむく。

「死体の回収は、“ビターシャル”に依頼したわ。私達は撤退するわよ」

 わざと彼の名前を出して、商会長に聞かせておく。これがジョゼフ王子の耳に入れば、今回の芝居が真実だと誤認させられるだろう。万が一ジョゼフ王子から確認されても、彼が肯定すれば逆に止めとなる。

 ギルは最後に商会長を睨みつけ、「命拾いしたな」と吐き捨て商会を……グラスノスタヴを脱出した。

−−−− SIDE カトレア END −−−−



 ただ今、お祭り騒ぎになっています。ロマリアに非難轟々デス。

 グラスノスタヴ襲撃事件は、あっと言う間に世界に広まりました。それと時を同じくして、ビターシャルがサウスゴータの
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