第六話 エクリプスの選択
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立ち上がった瞬間に――
『待て待て待て黒ウサギ!! 家主より先に入浴とはどういう了見だいやっほおおおおお!』
『きゃああああああ!!』
――隣の湯銭から、何やら聞いたことのある賑やかな馬鹿騒ぎが聞こえてきた。聞いたことのある、というか完全に白夜叉である。
「あ、白夜叉さーん! 丁度良い所に来ましたね〜!」
『ぬっ? おお! もしかしてマーシャルか! おんしもこちらに来て一緒に――』
湯銭に浸かったまま向こうの湯銭へと話し掛けると、白夜叉からのおかしな勧誘。そして言葉が途切れたとほぼ同時に床に桶が転がる音。十中八九、黒ウサギに桶を投げられたのだろう。
「白夜叉さん? とりあえず単刀直入に質問あるんで、質問よろしいですか?」
『う、うむ・・・・・・は、話すがよい』
声が弱々しくなっている所を見るに、どうやらそれなりのダメージは食らっているみたいだ。しかし、勝には知ったことでは無く、気付いていないふりをして質問を続ける。
「太陽石≠チて、何処で手に入りますか〜?」
『ぬぅ・・・・・・これはまた、難しい質問をしてくるのぅ。――太陽石≠ヘ、基本的にそれが採取できる鉱山か、太陽に関係のある神格持ちの者のギフトゲームに勝てば手に入る。しかし、どうして太陽石≠ネのだ?』
「それはもちろん、今手に入りそうな強力な疑似の武具を精製できる材料が、それだけだからですよ〜」
答えると、白夜叉は「なるほど」と納得したのか暫く沈黙する。
『・・・・・・まぁ、おんしらの実力と結束力なら問題無かろう。今度私が直接、おんしらの為のギフトゲームを用意しよう。――上層での』
白夜叉の最後の言葉に、勝はニッと口端を吊り上げる。
「ははっ! それは楽しみですねぇ。期待していいんですよね? 白夜叉さん」
『存分に期待しておれ。本拠で久しぶりに開催するギフトゲームなのだ。腕によりをかけて主催するとしよう』
「おっと、それではこちらも全力で、お相手するとしましょう。それでは、私はこれで失礼します。また後で、談笑でもしましょう」
それを最後に言って、勝は温泉から上がり来賓室でのんびりしようと、そっちに足を運ぶのだった――
「ねぇ、白夜叉。今話していたのって、一体誰なの?」
マーシャルが湯銭から出て行った後、不意に飛鳥がそんなことを訊く。
「あぁ、あやつはコミュニティエクリプス£最弱であり最強のリーダー、マーシャルというやつでの。あやつとは良く仕事の絡みが多く、二日に一度の割合で会っているのだ」
「え、エクリプス≠ナございますか!?」
白夜叉の話を聞いて、急に驚きの声を上げる黒ウサギ。白夜叉は「うむ」と短く答え
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