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気合と根性で生きる者
第六話 エクリプスの選択
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「お初にお目にかかります。サンドラ=ドルトレイク様。私は今回、この催し物に招待していただいたエクリプス<梶[ダーのマーシャルと申します。以後、お見知りおきを」

 いつもの胡散臭い営業スマイルと丁寧語。現在、勝は火龍誕生祭♂^営本陣営の謁見の間へと足を運んでいた。理由は、招待された側とコミュニティの代表として挨拶をする為である。

「初めまして。東の最小の巨人エクリプス≠フ名はこの北にも響き渡っています。たった四人の人材での急成長と発展、更に上層にすら足を運び依頼を遂行したその実力。それを纏め上げる貴方には、尊敬の念を抱いております」

「いえいえ。私なんか、まだ箱庭に来て一ヶ月ばかりの若輩者です。北のフロアマスターであるサンドラ様に尊敬されるような、大層な人物ではありません」

 尊敬の念を抱いている。そうサンドラに言われて、勝は表には出さないが本当に驚いていた。何せ、あの北のフロアマスターから尊敬されていると言われたのだ。つまり、白夜叉と同じ地位の人間に尊敬されているということだ。これに驚かなければ、それは上層以上の者かよほどプライドの高い者だけだろう。

「今ではエクリプス≠ニいうコミュニティの名は、既に上層にすら注目されるほどです。謙遜なさることは、何一つありません」

(そ、そんな事になっていたのか!?)

 あまりにも発展が早すぎる――勝は内心で舌打ちをしながら、表ではいつもの営業スマイル。ある意味、コミュニティの中で一番傍若無人な勝自身が忙しいのかもしれない。

「――今更だが、其方の旗印を確認させてもらいたい。偽物を名乗っているとも限らんしな」

「マンドラ兄様、流石にそれは失礼では――」

「おっと、そう言えば私は何度も顔を変えて表にも出ないから、リーダーとしての顔が売れていないんでしたね。いやはや、これは大変失礼いたしました。何分、表に出るのが苦手な性質でしてね――と、そうそう。これが我らエクリプス≠フ旗印です」

 そう言って、勝は自分のエクリプス≠ニしてのリーダーの正式な服装である男性用の着物の帯の一点を指で指し示す。


<i689|14536>


 それは、背景が黒――恐らく、夜空か宇宙を指し示すもの。辺りにある白い点は、きっと遠くに見える星だろう。右下に見える黒く染まった太陽――日食に加え、その中心にはEの文字。そして最後には左側に狼がその日食している太陽に飛びつく絵。

「・・・・・・これが、旗印?」

「はい。――とはいっても、本拠地に一度掲げたきりですので、確認何てものは出来もしませんでしょうが」

 営業スマイルに苦笑を混ぜながら、勝はさぞ面白そうに言ってのける。そして事実、エクリプス≠ヘ旗揚げした当時以来、この旗を一度も掲げたことが無い
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