第六章 『邂逅』
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スコープ越しに狙いを定めた悪魔を淡々と撃ち落としながら、龍宮はネギへ話す。またネギ達に対する“早く行け”という言葉も言外に含まれていた。
それはネギにも伝わったのであろう。ネギは少し口早に続けた。
「分かりました、よろしくお願いします。皆さん! 今から僕達はアスナさんを助けに、あの大穴から魔界へ飛び込みます!」
そう言いながらネギはぱっくりと口を開けている魔界への入口を指差した。そこでは詠春やゲーデルが悪魔を相手に立ち回り、龍宮が撃ち出す銃弾やエヴァンジェリンの魔法が的確に悪魔を撃ち落としていた。
「師匠や龍宮さん達が援護してくれますが、魔界から来る魔族の数はかなり多いです。飛行艇がないため、その中に生身で飛び込まなければなりません。『墓守り人の宮殿』へ突入する時と同様、いえそれ以上に危険です。絶対に一人にはならないようにして下さい!」
ネギの注意はもっともだろう。いくらエヴァンジェリン達の援護があろうと、突入すれば周りを悪魔達に囲まれているようなものだ。複数人でいても危険なことには変わりないが、一人で孤立するのはもっとも避けるべきことだ。
「それでは行きま――」
「ネギ君、少しいいですか?」
出陣の合図をネギが出そうとしたとき、アルが遮った。どうやらネギに用があるようだ。
「なんでしょうか?」
この状況で話しがあるというのだ。よほど大事なのだろう。ネギもそう判断し、アルへ返事を促す。
「私やエヴァンジェリンもどうにかして魔界へ行くつもりです」
これから魔界へと歩を進めるネギ達にとって、とてもありがたい言葉だった。
「そのために麻帆良学園の世界樹の力を利用するつもりです。ですが、それには少し人手がたりないのです。チサメさんとユエさん、それにあと七、八名ほど手伝っていただきたいのですが」
そしてそのためには、一度麻帆良学園に戻り、世界樹の力を使うらしい。しかしそれには千雨と夕映の他、数人の協力が必要なようである。エヴァンジェリンやアルが援軍として魔界へ来られるならば、とても大きな戦力だ。手を貸さない訳はない。
しかしそれが分かっていても、一同の頭には別のことが浮かんでいた。
「全員が揃って麻帆良学園へ帰りたい、という顔ですね」
そう、麻帆良学園には全員が揃って帰るという目的だ。アルの事を手伝うとなると、他の者よりも先に麻帆良学園へ帰還することになる。どうするべきかは、一目瞭然だ。迷うことなどない。だが、感情はそうはいかないようだ。
「断られたとしてもまた別の方法を考えます。あくまでも私からのお願いですから、狡いとは思いますが選択は皆さんに任せます」
ネギはどうするかという決断を迫られていた。もっとも、冷静に考えれば選
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