第六章 『邂逅』
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たようだ。そのため、気掛かりではあったのだろう。
また、理事長という立場もあり、生徒の安否には人一倍敏感に反応した。
「魔法先生や魔法生徒が迅速に対応して、悪魔の少ない方へ誘導したようです。負傷者はいますが、死者は今のところ確認できていないようです」
夏休み中ということも幸いしてか、生徒達の誘導は迅速に行えたようだ。もっとも、全てを把握仕切れているはずもなく、死者はあくまでも確認できていないだけだ。実際のところは、まだ分からない。
「闇の福音殿は麻帆良学園へ行ってください。ネギ先生も魔界で待っていると思います」
ザジはエヴァンジェリンに、麻帆良学園へ引き返すよう進言する。
「しかしだ、ザジ・レイニーデイ。アレはどうするつもりだ? それに魔界への出入り口が広がったとなればさらに雑魚共が沸いて来るんだぞ?」
だが、エヴァンジェリンは単純な疑問を投げかけた。
エヴァンジェリンの言う通り、リヴァイアサンだけでなはない。リヴァイアサンが強引に通ってきた空間の裂け目は、比べものにならないほど大きくなった。
それはつまり、魔界から出てこられる悪魔の数が増えたことを意味している。そうなれば、エヴァンジェリンの様な特級クラスの実力者は、是非いてほしいところだろう。
「それならご心配ありません。私も同族として彼らを迎え撃ちますので」
ザジはそれまで特に悪魔を相手に戦ってはいなかった。というよりも、エヴァンジェリン達への加勢はしないつもりだった。
だが麻帆良学園が悪魔の手に落ちた事で、どうやら彼女のプランに変更が生じたようだ。
「それに私も、それなりに強いですから」
ニッコリと笑みを浮かべたザジの指先からは鋭利な爪が現れ、腰からは黒い一対の翼が姿を見せた。
「それでは闇の福音殿、麻帆良学園とネギ先生をお願いします」
そう言ったザジは軽く地面を蹴った。すると一瞬にして姿を消し、リヴァイアサンの前に踊り出た。
「ここは彼女に従いましょう」
アルがエヴァンジェリンへ、麻帆良学園へ戻るように促した。
「麻帆良学園が悪魔の支配下にあるとなれば、当然世界樹を利用する我々の手は使えなくなります」
「そう、だな」
エヴァンジェリンは歯切れ悪く返す。それは何か言いづらい、というよりも、思案を巡らせているためだ。
「おい、アルビレオ・イマ。耳を貸せ」
「? なんでしょうか?」
アルは少し屈んでエヴァンジェリンへ耳を傾けた。エヴァンジェリンの様子から、なんとなくは察しはついているようだが。
「――――。いいな?」
エヴァンジェリンの耳打ちを聞いて、アルも少し考える。そしてすぐに了解の返事をした。
「分かりました、その
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