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剣の丘に花は咲く 
第八章 望郷の小夜曲
第二話 友達
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キリと見せていた。

 ………んっ………っ…………ぁっ…………

 段々と強くなる身体の震えと共に、ルイズの押し殺したようなくぐもった声も激しくなる。身体をよじり服が捲り上がる度に、一糸まとわぬ桜色に染まったルイズの身体が覗く。
 震えを抑えるかのように身体に回された手が動く度に、ルイズの身体の震えと声は細かく激しくなる。
 部屋の中にベッドが軋む音と、粘ついた音が混じり、

 ………っ、っ、っ……ぁっ……んぅっ……っ!!

 ルイズの背が反り返ると共に、押し殺した悲鳴のような声が部屋に響き渡った。






「…………何……してるんだろ……わたし……」

 ベッドから起き上がったルイズが、粘つく疲労を感じながら、濡れて張り付く服を指で摘みあげポツリと呟く。ふと顔を横に向けると、暗闇に慣れ始めたルイズの目に、みすぼらしい男物の服を着た少女の姿が映る。
 少女の顔は淫蕩に歪み、汗などで濡れた服は身体に張り付き、身体の線を露わにしている。ねっとりとした空気に澱む部屋と少女の姿に、まるで情事後の娼婦のようだと、ルイズは眉を顰める。しかし、それが化粧台の鏡に映る自分の姿だと気付くと、浮かぶ表情が苦笑いに変わった。

「……はは……本当に……わたし……なに…………やって、るんだろ……」

 ベッドの上。
 力なく項垂れたルイズの瞳から、透明な雫が溢れだし、ベッドに染みを作り出す。
 次から次へと溢れ出すそれをルイズは拭うことなく溢れるままに、落ちるままに任せている。
 ルイズの身体はピクリとも動かない。
 何も知らない人にこれは人形ですと言えば、驚きながらも信じてしまいそうなほど、今のルイズは生気というものは全く感じられなかった。
 それは、まるで人形のようにピクリとも動かない身体だからというわけではなく、人間を人間たらしめる心が……全く働いていないからであった。
 抑えようもない感情に翻弄され、心が上手く動かない……理由(わけ)ではない。
 潰される程に大きく、重い悲哀や絶望は確かにある。
 しかし、それ以上に、胸にポッカリと穴が空いたかのような虚無感……空虚感が大きすぎた。
 後から後から溢れ出る様々な感情の坩堝が……すとんと綺麗に落ちてしまう程に。

 
 
 
 
 
 ルイズがアルビオンから魔法学院に戻ってから、既に七日が過ぎていた。神聖アルビオン共和国との戦争が終結してからの日数を加えると、丁度三週間経過した計算になる。
 戦争終結後、二週間掛けて魔法学院に戻ってからの一週間、ルイズは士郎の匂いが残る服を着込んだ格好のまま、ずっと部屋に引きこもっていた。ルイズが部屋から出るのは、トイレやお風呂、そして食事の時だけであった。部屋に閉じこもっている間、ルイズは心の中で、士郎と
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