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〜烈戦記〜
第六話 〜初仕事〜
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『た、大変です!』

戸が唐突に開かれた。

『な、なんだ騒がしい』
『豪帯様が!』
『!?』

名前を出された瞬間心臓が飛び出すかと思った。

『…何があった』

まずは冷静に状況を呑み込むんだ。
帯に何が起きたんだ。

『我々は凱雲様と共に北門にて兵の受け入れの為に交通整理をしていたのですが、そこに現れた豪帯様がいざこざに巻き込まれて…』
『なんという事だ…ッ!』

凱雲がついていながらなんという…。
怒る気持ちを抑えて状況を聞く。

『…豪帯は無事なのか?』
『あ、いえ!巻き込まれたのは話し合いのいざこざであって暴力事ではございません!』
『…はぁ。それをはよ言わぬか』
『も、申し訳ございません!』

よかった。
もしこれで帯に何かあったら私はどうすればよかったのだろうか。
一瞬で身体中の力が抜けた。

『しかし!』
『…ん?なんじゃ?』

一瞬何故こうも慌てているのか気が抜け過ぎて気がつかなかったが、仮に話し合いに巻き込まれた程度でこんなにも慌てて来るわけがない。

改めて気を引き締める。

『それが…商人達が豪帯様が豪統様の子供だと知るや否や交通整理の早期撤回を豪帯様に迫っていて…』
『なんだと!?』

それはまずい。
この関は国にとっては僻地の一拠点に過ぎないが、商人達にとっては蕃族と本国を結ぶ重要な拠点だ。
だが、元々が防衛しか視野になかったせいで門は内陸側の北門、蕃族側の南門の二つしかない。
つまり、この関での交通整理というのは基本的に商人達との事前の打ち合わせの元行われる行為だ。
それが今回は急を要するモノになってしまった為にさらに難しく、繊細な仕事になる。
だが、凱雲が向かったと聞いていたから安心して任せていた。

それがどうだ?
話を聞く限り帯が商人達に撤回を
求められているだと?
まだあいつは村から出て来て数日の人間だぞ?
この問題はあいつには早すぎる。
絶対に無理だ。

だがあいつは私の息子だ。
経験があろうが無かろうが帯が一言商人の要求を飲んでしまっては大問題だ。

『凱雲は何をしているんだ!!』
『そ、それが他の兵士に聞いた所北門より離れた場所で商人の一団との交渉に向かわれていて…』
『くそっ!今すぐ案内しろ!』
『は、はい!』

帯よ、頼む。
そこに行くまで耐えてくれ。



『お願いします!!』

北門につくなり帯の必死な声が聞こえて来た。
遅かったか。

『どいてくれ!』
『お、おいッ…ってあんたは!』
『道を開けてくれ!』

商人の人集りを掻き分けて中心へと向かう。
そして。


『帯!!』

中心では帯が商人達に向かって頭を地面にすり付けて
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