第一物語・後半-日来独立編-
第三十四章 魔女は翔び、鳥は飛ぶ
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に浮かぶ。
続けざまに銃砲の役割を持つ身の丈よりも長い鋼の魔箒を反転させ、銃口とも砲口とも取れる、両方の言葉を合わせて銃砲口の役目を放つ加速機を前に現す。
力を込め、拳を握れば、それぞれ赤と青の魔力回路が微かに身体中に浮かび上がった。
血管のように全身に現れて、魔力が流れていることを示す光が走っている。
銃砲口の先に映画面|《モニター》が表示され、充填完了、の文字が映し出されていた。その表示はすぐに消え、次に標準を合わせるためのものが表示された。
映画面に映る十字が乱れ動き、中央の円に加速機を合わせるため姿勢を整える。
マギトは他の二人の動きが止まり、標準が固定されたことを確認した。
「それじゃあ、狙い定めてえ。一、二、三……バ――ン!」
銃砲口から砲弾と呼べる、一つの大きな弾が発射された。
三つの砲弾のなかで、眼鏡を掛けた翼人族の学勢が放った青の砲弾が先行する。が、速度は二つある赤の砲弾よりも遅く、そのままでは後ろから来る砲弾と直撃する。
それなのに三人は、よし、と言いその場から離れた。
次の瞬間。加速機に衝突する前に青の砲弾に赤の砲弾がぶつかり、大爆発を起こした。
爆風に身を揺らしながら、身体を反転させ様子を見る。
物の見事、爆発により加速機を破壊し航行不可能となった戦闘艦は速度が落ち、地に落ちていく。
火と黒煙を上げながら、日来を囲む戦闘艦が一艦減った。
「魔力を込めた攻撃がぶつかった場合、寒ノ魔力が少ない時に暖ノ魔力多ければ衝突した時に大爆発を起こす。その逆の場合は、周囲を一瞬に凍結させる大凍結が起こる。いやいや、おっかないねえ」
落ちる戦闘艦を見ながら、笑みを崩さないマギトは楽しそうに語る。
日来の周りにも彼らと同じ、戦闘艦を落とした者達が多くいた。
戦闘艦に副砲があるとはいえ、全ての死角を無くすことは出来無い。その死角にさえ飛び込めば後はこちらのものだ。
汗を流すも拭うことはせず、次の獲物を探しに再び組を組み直す。
欲張りはせず安全を第一とし、一時的に日来周辺から離れる。
無料提供される生命維持の加護では身を守ることは出来無い。更には日来に今いる魔法術師の殆どは実戦経験の無い、戦闘慣れしていない者達ばかりだ。
慣れていないのに無茶をすることは死を招く。自分でもその可能性は十分にある。
風によって汗が流れるなか、上空から戦況を伺う。
「渡り道の半分は無事みたいだけど、半分は壊されてるわね」
「ここで疑問なんですが、渡り道って重力操作によって出来てるんですよね? だったら壊されてもすぐに修復出来るんじゃないですか?」
再び魔箒に乗り空を回りながら、下にいる日来を見る。
防御壁により守ってはいるが、所々砲撃に当たった箇所がある。
空間移動する前に霊憑
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