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おいでませ魍魎盒飯店
間幕:Ir de tapas (軽食屋巡り)
13 ?? ?????? ??? / 13日のカレー曜日)
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のは、この屋敷の主であるキシリアだった。

「そんなにカレーが食いたくば、好きなだけ食わせてやろう。 ほら、遠慮するな」
 そう告げながら、キシリアは大皿一杯の凶悪唐辛子(ハバネロ)の粉をカレー鍋にぶちまけた。

「「ヒィッ」」
 あまりにもの恐ろしい光景に、周囲の温度が氷点下まで急落する。

「さぁ、食え。 お残しはゆるさんぞ」
 その後、絶大な精神ダメージを受けた勇者の残骸たちはおとなしく子孫の魂の奥へと逃げ帰り、呼びかけても答えることは無かったという。

*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*

「なぁ、あの日の晩飯のとき、いったい何があったんだろう? ぜんぜん覚えてないんだが」
「……私も記憶に無い。 キシリアに聞いても答えてくれない」
 全てが終わったその日の朝、クリストハルトとカリーナの二人は怪訝な顔をしたままお互い首を捻るハメになっていた。
 ちなみに二人は5日ほど寝込んで意識がなかったらしい。
 目覚めた後はなぜか胃がキリキリと痛み、不気味なぐらい上機嫌で愛想のよいキシリアから、胃に優しくて非常に美味しい御粥を振舞われたので結果的に損をした気分ではないのだが、どうにも釈然としないのは事実だ。

 なお、連れ込まれた獣人族(ライカンスロープ)の面々は、カリーナたちが目覚めた数日後前に意識を取り戻しており、クリストハルトたちが目を醒ました後で何故か泣きながらこの店を後にした。
 ……なにか悲しいことがあったのだろうか?

 そしてこの事件から数日後、キシリア店で『犬猫でも食える優しいカレーのお姫様(プリンセス)』が発売された。
 今のところ売れ行きは好調である。 

 なお、いつの間にか所在不明になっていたフェリクシアは、未だに帰ってこない。
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