二話
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賑わっている時間帯だ。変な噂でもたったら世間体的にも死ねる
そんな思いで口を塞いでいるというのに、未だ声を出そうとすることを諦めず、もごもご言っているので抑える力を強めると、手に生ぬるい感触を感じた
「!? いい加減黙れ、つーか舐めるな!!」
「むー!むー!」レロレロ
「―――!! 分かった買ってやる!」
根負けし、一方通行がその言葉を言うと同時に静かになるミサカ。無表情のはずのその顔が少し、にやけている様に見えるのは気のせいだと信じたかった
「さあ、早く行きましょう。次は三階にあるグッズ用品店に行きたいです。とミサカはあなたを急かします」
「って、これで終わりじゃねェのかよ!?」
「ありがとうございましたー」
あれから暫く。ようやく買い物を終え、一方通行達は店を出た
「糞が。よけいなもン買っちまった……」
「そう言いながら、あなたも途中から結構楽しそうだったじゃありませんか。なんだかんだ言いながら、これを買ってくれたことを思い、ミサカは感謝の念を禁じ得ません」
帰り道、買ったものを入れた袋を持ちながら悪態をつく一方通行の横で、同じく買ってもらった服を入れた袋を持ち、買って貰ったのだろう、カエルを模した小さな髪飾りをつけたミサカが返答する
「楽しくなンかありませんでしたー。テメェが売り場の前から動かなかったからだろうが。うざってェ」
「そんなこといいながら『ちっ、しょうがねえなぁ。買ってやるよ。このままじゃ周りから変に見られちまう。けっしてお前の為じゃねェからな』だなんて、リアルツンデレを見れるとは思ってもいませんでした。とミサカはつい先ほどの事を思い返して頬が緩んでしまいます」
「喧嘩売ってンのか。つーか無表情のままじゃねェか」
もはや疲れたのか、最初のように言い返すこともなく、普通に言葉を口にする
その言葉を聞き、ミサカが言葉を返す
「本当につまらなかったのですか?あなたにとってミサカは邪魔でしかなかったのでしょうか。とミサカはずっと抱いていた疑問をあなたにぶつけます」
無表情なまま、それでも悲しそうに聞こえたその言葉に、一方通行はすぐには返事を返せずに考えてしまう
(何考えてンだ俺は。いつもだったらすぐにでも『ああ邪魔だった。まったく煩くて仕方ねェ。さっさと消えてくれ』とでも言うっつうのによ)
そのまま、ここ数時間の事を思い返す
(確かに、研究者どもを除けばこんだけ話したのも本当に久しぶりだ。それに研究者どもも一部を除けば怖がって遠巻きに話しかけてくるだけ。こんなに近くで、俺に恐怖を抱かない奴と馬鹿みたいに話したのはいつ以来だったか)
確かに、振り回され、余計な物を買わされ、変な風評を立てられそうになったとはいえ、こんなにも“普通”に過ごし
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