一話
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で頼みます」
「嫌ですー。オレは用があるから勝手にしてやがれ」
さっさとこの場から離れようとすると、腕に軽い衝撃を感じ、見てみればミサカが一方通行に腕をつかんでいた
反射ならば常にオートで働いているが、一定以下の力ならばその対象外に成っているのでそのためだろう
「離せ」
「女の子が上目づかいで頼んだというのに無視とは。まったく、最近の子供は冷たくなったものです。とミサカは目の前にいるあなたに見せつけるように、やれやれ、と溜息をこぼします」
「手前はオレに頼みごとがしたいンですか、それとも喧嘩売ってやがるンですかァ!?」
「子猫を助けたいのです、キリ。とミサカは決め顔で言います」
「ウザさが段々と殺意にまで変わってきやがりそうですよお前よォ。いいから離せ」
「そういいながら振り払わないところが優しいですね。 とミサカはどう考えてもそうは見えないあなたを持ち上げてみます」
「マジでぶち殺すぞおい」
「まあいいじゃないですか、人助けだと思えば。とミサカは諭すような口調で言ってみます」
その言葉で少し、言い淀んだ。確かにいつもの自分ならさっさと少女の腕を振り払い、無視して行ってしまっているはずだ
それなのに、今こうして自分んは目の前の少女と馬鹿馬鹿しい会話をしている。それは今朝見た夢がまだ影響しているのか。それとも、自分のことを怖がらずに腕をつかみ、久しく感じていなかった温かさを、掴まれている部分から伝えてくる目の前の少女のせいなのか
(下らねェ。だがこれ以上は時間の無駄だな)
「分かった。手伝ってやるからさっさと離せ」
「むむ、ミサカの絶え間ない努力によりとうとうデレが。ちょろいぜ、とミサカは拳を見えないように握り締めます」
こいつゼッテエ泣かす。と心に決め、一方通行は猫がいる樹を見上げ、気づいた
「おい、なンかもお居ねェンだけど」
「え?」
拳を握りしめ続けていたミサカは、一方通行の言葉に驚いて樹を見上げたが、確かにそこに猫はいなかった
周りを見回せば、二人が話している間に降りたのだろう、少し離れたところに件の猫がこっちをみながらいた
「自分で降りられたのですね。とミサカは安心し
「シャー!!」
ミサカが近づこうとした瞬間、言葉をさえぎるように猫が威嚇し始めた
それに驚いてミサカが止まっている間に、猫はさっさと去ってしまう
「あー、今気づいたけどよ。オマエ、エレクトロマスターか? 多分、オマエから出る微弱な電磁波に反応してンじゃねえか」
「……どういう、ことですか?」
「人間と違って猫とかは敏感だからなァ。要はオマエのせいで猫は降りられなかったってこった」
「―――」
「助けようとしてたオマエが原因とか、マジ受けるンですけどォ」
「――ううう」
「もう良いだろ
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