一話
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の体勢でいて身を起こす
最低限しかない家具、元の色など分からないほどに変色した傷だらけの壁、割れた窓にその破片や石などが散らばった床
見渡す限り、おおよそ人が住んでいるとは思えない程に壊された居住空間
あの夢の後、一方通行が手に入れた日常がこれだ
「……くそくだらねェ」
いつもなら気にも留めない事が目に着くのは、夢を見たせいか。一方通行はそんな考えを抱き、ありえないと嗤う
ポケットに入れていた携帯を取り出すとメールがあったのでそれを開く。差出元は今自分が所属いている研究所。内容は新しい実験を始めるので所定の時刻にある場所まで来るようにとのこと
直接電話で伝えなかったのは、研究者が一方通行と会話することを恐れたのか別の理由か。そんなことはどうでもいいが、書いてある時刻は夕方なのでそれまで時間は大いにある。とりあえずまずは食事を取ろうと思いベッドから起き上がって玄関へと向かう
冷蔵庫ならあるが、荒らされていて中身などないだろうし、作るのも面倒なので近くにある店へと向かいながら思う
「絶対能力進化ねェ……。うさンくせェ名前だなァおい」
ファミレスで食事を終えた一方通行は、そのまま第十五学区へと向かう
時間はまだあるし、家に戻ってもすることなどない。それに、今日は自分が好むブランドの新作の服などがいくつか出るのだ。それを見るために大型ショッピングセンターへと向かうその道の途中おかしなものを見つけた
「何だありゃ?」
一人の少女が道端にいた。来ている制服から見て名門である常盤台中の生徒だろう。そんなお嬢様が額にでかいゴーグルをつけ、街路樹に抱きついて視線を上に向けている。そして樹への抱擁を止めると少し下がり、視線を上に向けたまま口を開いた
「ミャー」
「は?」
少女の口から出た言葉に、思わず声を出してしまうと、その少女は一方通行の方を向き、手を挙げて樹の上の方を指差した
「あの四足歩行をする動物の鳴き声です。とミサカは簡潔に答えます」
ミサカという少女の指さすを見ると、樹の上に一匹の黒猫がいた
「先ほど見つけた際、近づこうとしたら急に樹の上に逃げたのですが、どうやらそのまま降りられなくなった様なので何とかしようとしていました。とミサカはあなたが抱いているだろう疑問に先んじて答えを返します」
「ああそうかい。如何でもいいこと、ご親切にどうもありがとうございましたァ」
そういい、付き合っちゃいられねえとミサカの横を通り向けようとすると、ミサカが手を広げ道を塞いだ
「まあ待って下さい。とミサカはまるで自分には関係ねえぜ、とばかりに通り過ぎようとするあなたに非難の目を向けながら道を塞ぎます」
「……何がしたいンですかお前はよォ」
「手伝ってください。とミサカは上目づかい
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