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ジークフリート
第一幕その六
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う前置きするのだった。
「思い出した。それでなのじゃが」
「何て名前なんだ?」
「一度だけ名前を自分から言ってくれた」
「それでその名前は」
「確かジークリンデといった」
 こう話したのだった。
「それはな」
「ジークリンデというのか」
「そうじゃった。確かな」
「そうだったのか。ジークリンデか」
 その名を聞いて自分も俯いたジークフリートだった。

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