第6話 顕われたのは黄泉津大神の眷属ですよ?
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その蛇たちに対して、空手で言う所の掌底打ちと言う形で対応しようとする紡。
しかし、その刹那。
【よ、コSE……】
自らの五感の内、敢えて視覚を封じる事に因って、己の小宇宙を高める方法が有る。
そして、今の一誠が身に纏うのは、乙女座の黄金聖衣。神にもっとも近い男と言われた聖闘士たちが纏って来た聖衣。
【よこ、せ……】
ゆっくりと一誠の両手が合掌の形を取る。そう、右手は仏の象徴。清らかなるものや、智慧と言う意味を示す。片や、左手は衆生と言う意味。その後、その両手を完全に合わせる事によって、仏と一体となる事を示す意味を為す。
そして、その合わされた形から、次に左手をやや上に向け優しく親指と中指を触れ合わせ、右手は正面を向け、親指と人差し指を合わせる印相を示し、
最後に、右手を肩の高さで正面を見せ、左手は手の平を上に向けた。
この印相は、右手で相手に恐れる必要がない事を示し、左手では相手の願いを叶えると言う救いと言う意味を示す。
そう、この印相が示す形は……。
「六道輪廻」
戦場。そして、悪しきモノたちを相手にする際とは思えないほど、穏やかな声、更に小宇宙が発せられた。
その瞬間、一誠の周囲に集まっていた、悪しき霊たちの周囲に浮かぶ、異世界のヴィジョン。
そう、それは六道。
地獄界。陰陽道的には黒で表す世界。尽きる事のない断末魔の恐怖。此処に落ちた者は、未来永劫果てる事のない苦しみに苛まれると言われている。
餓鬼道。餓鬼とは、腹だけが膨れ上がった姿の鬼で、この世界に落とされた者は、食べ物を口に運ぼうとしても直ぐに火と変わり、永遠の飢えと渇きに苛まれる。
畜生道。この世界は畜生の世界。この世界は、自力で仏の教えを得る事の出来ない状態の、救いの少ない世界。
修羅道。阿修羅が住まう世界。常に、戦いと殺戮が繰り返される世界。
人間界。別名、苦界とも呼ばれる世界。但し、唯一、仏と出会える世界とも言われている。
天道。天人が住まう世界。寿命が非常に長く、苦しみも少ない。但し、ここですらも死は免れない。つまり、長い生命を生きるが故に、老い、次の死を迎える際の苦しみ……天人五衰と呼ばれる苦しみは、六道すべての中で一番大きいと言われている。
そして、次の瞬間。
一誠に襲い掛かった、すべての霊体が、それぞれに相応しい六道へと落とされて行ったのだった。
しかし、紡の掌底打ちが宙を舞い、彼に殺到する蛇たちを迎撃する前に、後方から放たれた風と氷が全てを討ち倒して仕舞う。
そして、その直後、何者かが紡の肩に跳び移って来た。
猫?
「兄ちゃん。あいつらに
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