―ジェネックス Y―
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イダーの4200という圧倒的な攻撃力。
後は氷結界たちにトドメを刺すだけだが、それより先に俺は動揺している明日香に呼びかけた。
「……俺が知ってる明日香は、一見クールっぽいけどただのデュエル馬鹿で、女王とか呼ばれてるけど意外とただの女の子だったりして、強くて綺麗でブラコンで弱いところもある親友だ! ……断じて、キチンとした女王で氷の女なんかじゃない」
「遊矢……」
その声は俺の知っている『明日香』の声。
久々に聞くことになったその声に安堵すると、このデュエルを終わらせるために声を張り上げた。
「光の結社とはこれでお別れだ。サイバー・ブレイダーで、氷結界の龍 トリシューラに攻撃! グリッサード・スラッシュ!」
恥ずかしながら俺も何度となくやられた覚えのある、バレリーナのような美しい動きが伴った攻撃に、トリシューラは破壊されるのだった。
明日香LP600→0
「……遊矢、私」
デュエルが決着して明日香を救い出してからの開口一番、明日香は顔を伏せて申しわけなさそうな顔をしてるのを見て、急いで口を挟んだ。
「そんな顔をしてもらうために助けた訳じゃない。吹雪さんの時もそうだったろ?」
セブンスターズとなっていた吹雪さんの真紅眼の攻撃で火傷した時も、明日香はこんな表情をしていたものだ。
その時のことを思いだしたのか、明日香はクスリと笑ってくれた。
「そうだったわね……それにしても遊矢、デュエルしてる時のことは少し覚えてるんだけど、あれじゃ私がいつも負けてるみたいじゃない!」
ガントレット・ウォリアーやらマックス・ウォリアーを召喚した時、『あのデュエルではフィニッシャーだった』などと明日香に言ったことを言っているのだろう。
アレは明日香を救うために、そして俺の意志を更に強固にするために必要な思い出だったのだが……確かに改めて聞いてみると、明日香が負けてるようにも聞こえる。
「勝率は俺の方が上なのは確かだろ?」
「言ったわね! ……っと」
良く解らない日常の会話のようなもので、今すぐもう一回デュエルが始まりそうな一触即発の雰囲気になったものの、明日香が急に頭を抱えてよろめいた。
「どうした!?」
「大丈夫よ。……ちょっと、眠くなっちゃって」
そういえば三沢が俺を助けた時も、俺はその場に倒れ込んだという話を聞いたことを思いだす。
斎王に深く洗脳された影響で、明日香にも何かあるかも知れない。
「寝とけよ。運んどいてやる」
「……悪いけど、頼むわ」
明日香は近くの木にもたれかかるように倒れ込んだので、いわゆる『おんぶ』の格好で背中に明日香を背負う。
保健室はもうこの深夜では閉まっているだろうし、オベリスク・ブルー寮などに行け
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