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大魔王からは逃げられない
第四話
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長促進
 称号:なし
 ギフト:なし


〈ブラックドッグ〉
 種族:ブラックドッグ
 性別:雄
 愛称:クロ
 年齢:二十八歳
 レベル:十九
 経験値:二三七 / 次のレベルまで十三
 筋力:D
 体力:D
 生命力:D
 魔力:F
 敏捷:C
 抗魔力:F
 幸運:D
 習得スキル:威嚇、噛み砕く、追跡、集音聴覚、
 特殊スキル:威風堂々、呼び起こし
 称号: なし
 ギフト:なし



「……」


 ステータスに書かれていた内容を見た俺は思わず天を見上げた。


 ここって絶対に創作世界だと思う。よくある二次元などの創作世界にトリップしたとかそういうのだ。なにせ四字熟語が出ているのだから疑いようがないだろう。犬や猫、カエルといった生き物やニンジンなどの野菜もあるのだから。


(まあ詮無い話だけど。というかクロの方はまだ良いとして、これは凄いな……色々な意味で。殴る蹴るって……これってスキルなのか?)


 こんな他愛のない動作がスキルに認定される程、彼らが弱いということなのだろうが、これはもうネタとしか思えない。というよりも黄金の逃げ足や死んだふりは完全にネタだろう。


 スキルというのは神々が定めたものであり、彼らがスキルと認めたものならばどのようなものでもスキル扱いとなる。なにを基準にスキルと認定するかはその神によって違うが。


 その中でも習得スキルというのは、それに見合った努力と時間を要すれば誰でも習得可能なスキルだ。もちろん魔術などの適正もあるが一般的にはそのように規定されている。


 そして、特殊スキルというのは特定の条件を満たせば得ることができるスキルだ。個人、もしくは種族や血族だけが所有する唯一無二のスキルであり、別名をユニークスキルとも言う。これを所有している者は数少ない。なにせ習得条件が一切不明なのだから。


 そのような事情もあり、特殊スキルを所有している者はどこに行っても重宝される。特殊スキルを持っているのはクロと長の二匹だけだが、僥倖と言えるだろう。





   †     †     †





「――ふむふむ、なるほどねぇ……。てことは、近々来るってことだな?」


 クロたちと別れ広間に戻った俺は玉座のような椅子に腰掛けながらシオンの報告を聞いていた。


「はい。既にケルベロス討伐の依頼を出したとのことです。恐らくB級以上の有志を募った冒険者たちが大人数で押し寄せてくるかと」


「だろうね。ケルベロスを相手にまさか二、三人で挑まないでしょ。少なくても三十人規模でやって来るはずだ」


 となると、それに備えて準備をしないといけない。村から冒険者ギルド
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