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大魔王からは逃げられない
第三話
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声を上げるゴブリンたち。普段の口調に戻った俺は長に他に魔物が居ないか問いかけた。


『それでしたら、ここから向こうへ進んだところにブラックドッグの巣があります』


 長の指した方角は北西。サーチで知覚範囲を広げると、三キロほど離れたところに生体反応があった。


「じゃあ、そっちにも顔を見せに行くかな。ああ、君たちは先に戻っていいよ、送ってあげるから。向こうにはケルベロスがいるけど、襲い掛からないように言ってあるから心配しないで。んじゃ、また後で」


 腕を振るうとゴブリンたちの足元に青白い幾何学的な模様が描かれた魔方陣が展開された。ゴブリンたちを転移法陣に納めた俺は彼らをダンジョンに向けて転移させる。


「さて、スカウトに行きますかね」


 帽子を目深く被った俺は一息で跳躍し、忽然とその場から姿を消した。後に残ったのは白目を剥いた屍が三つ――。


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