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大魔王からは逃げられない
第二話 ※
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が、今夜はちゃんと相手をしてもらいますよ」


 引き際は心得ているが、釘を刺すのも忘れないメイドさんだった。





   †     †     †





 自室で朝食のパンをかじりながら今後の予定を考える。俺とシオンはパンとリョカという兎のような動物の肉を煮込んだスープ。ダーシュにはリガーソンという猪のような魔物の肉を与えている。魔物も種類によっては美味しく頂けるため食材として重宝している。


「さて、いつ侵入者が来てもいいように準備をしようと思うのだが、なにか案はないかね?」


「何ですか、そのキャラは……。配下はわたくしを含めてダーシュしか居ません。ですので、固まって撃退した方が得策でしょう。そう簡単に負けるような腕前ではないと自負していますが、万に一つの可能性がありますので万全の状態で迎え撃った方がいいと思いますが」


 流石はシオン、的確な判断だ。概ね俺も似たようなことを考えていた。


「んじゃあ、この広間と出口に繋がる道を幻術で塞いで、適当に脇道を作って無限通路にしちゃうか。延々と同じ道を歩かせれば疲労も重なって注意力も低下するだろ」


「わざわざそこまでしなくても、私とダーシュの二人で出撃すればいいだけの話だと思いますが」


「ワフッ」


 ダーシュも同意見なのか小さく吠えた。


「まあそうだけど、余計な手間はかけたくないでしょ。それにこの方が簡単に生け捕りに出来るしな」


 スプーンを掬っていた手を止めたシオンがジト目で俺を眺めてきた。


「……ああ、なるほど。女性を捕まえてエロエロなことがしたいということですか。流石はご主人様、性欲旺盛の変態魔王ですね」


「いや、まあ俺も男ですし? 否定はしませんよ。エッチ好きですもの。ここにやって来るということはそれ相応の覚悟を持って挑むということ、多少のリスクは背負ってもらわないとね」


「多少のリスク、ですか……。では参考までに聞きますが、捕らえた女性はどうするつもりですか?」


「そうだなぁ。相手にもよるけど気に入ったら配下にしようかね」


「では男性の場合は?」


「優秀なら配下に加えてもいいけど、基本的には死んでもらうことになると思うよ?」


 なにが悲しくて野郎を迎えなきゃならんのだ。余程、優秀じゃない限り手元に置こうとは思わないね。


「はぁ、ご主人様らしい考えですね」


「だって魔王だもの」


 呆れてものが言えない様子のシオンを尻目にリョカのスープを啜る。シオンはメイドさんに恥じない家事の腕前を持つため、三ツ星レストラン顔負けの食事を提供してくれる。


「ん?」


 裾を引っ張られ
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