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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
ALO:フェアリィ・ダンス〜両刃の剣と天駆ける龍〜
偽物の王と偽物の龍
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鍍金の勇者と、それにつれられた龍の」


 キリトは目の前の剣を握ると、ハザードと共に須郷に切りかかった。




                     *


「……システムコマンド。スレイヴ・システムを破棄。……これでいいだろ、兄さん」
『ありがとう。秋也』
「……あなたのために、俺は生きてきた。あなたに認めてもらうために。……でもそれも今日で終わりだ。俺は『茅場秋也』ではなく、『京崎秋也』として生きていく」


「……茅場…ヒースクリフ」
『久しいな、キリト君』
「……生きていたのか?」
『そうであるともいえるし、そうではないともいえる。私は茅場晶彦という人間の意識の残像(エコー)だ』
「相変わらず難しいことを言う人だな……。まぁ、一応礼を言っておくよ」
『礼は不要だ。君と私は無償で助け合う間柄でもないだろう?』
「……何をしろと?」

 すると、空に金色の光が生まれ、そこから小さな卵のようなものが出現した。

「……これは?」
『それは世界の種子だ。芽吹けば、どういうものなのか解る。その後の判断は君に任せる。消去し、忘れるもよし……しかし、もし君が、あの世界に憎しみ以外の感情を抱いているというのなら………―――――――さて、私は行くよ。いつかまた会おう、キリト君。そして……今までありがとう、秋也。我が弟よ』


 そう言って、茅場は消えた。



                     *

「スレイヴの発生が…止まった!!」
「一気に決めるぞ!!」

 全員の武器が、今までで一番激しい、一番神々しいエフェクトライトを帯びる。

 
 聖剣たちは黒いプレイヤーたちを浄化し、その炎をもとの色に戻した。

 
 色鮮やかなエンドフレイムが、金色のエフェクトライトと共に空に輝くこの光景は、後にアルヴヘイムもっとも有名な事件の一つとなる。


 これが、アルヴヘイムで《神話》として語られる物語の、全てである。
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