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環の理
鋼の錬金術師
終戦
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 「誰だ!?」

 「ここだよここ。お前の目の前」

 「どこ……!」



 見つけた……白い空間に黒い靄で人間の形を作り出しているモノ。



 「……誰?」

 「おお!よくぞ聞いてくれました!」

 「?」

 「オレはお前達が“世界”と呼ぶ存在。あるいは“宇宙”、あるいは“神”、あるいは“真理”、あるいは“全”、あるいは“一”、そしてオレは“お前”だ」

 「!?」

 「ようこそ。身の程知らずの馬鹿野郎」



 後ろから引っ張られる。見ると扉が半開き、かつうようよした触手みたいのが俺を掴んでいた。



 「うおっ!?」

 「真理を見せてやるよ」



 ……正直、この後の事は覚えていない。ただ、分かっているのは“今までの全てを否定され、上書きされた”事だけだった。





 〜〜〜回想終了〜〜〜





 「……中尉?」

 「ん……ん?」



 しまった……ちょっと落ちてたかな?



 「リザ?何でここにいるの?」

 「新人ですから」

 「あー……」



 いらぬ雑用を押し付けられたって訳だ。



 「ごめん」

 「そんな事はありません。個人的に話したい事もありましたから」

 「?」



 話したい事……?



 「歩きながら話そっか」

 「分かりました」



 立ち上がり、集合場所へ歩き出す。



 「……メイは」

 「?」

 「何故軍に入ったのですか?」

 「何故ねぇ……色々あるけど一番はやっぱり金かな」

 「金、ですか」



 無愛想な顔が更に険しくなっていく。表だけ見れば不純だったかな?



 「親は幼い時に死んで……それからは孤児院で親のいない子達と一緒に遊んでたの」

 「…………」

 「その孤児院がホントボロボロでさ〜……何とかしてやろうって思って国家錬金術師の資格とって、軍学校に入った。それで今に至るって訳」

 「それじゃあ……」

 「前線に行きたくないのは死にたくないから、まだあの人達に借りを返せてないから……もっと改修させてやんないとね」



 どこにでもあるような話。錬金術は独学だったけど真理を見たせいかスムーズに習得出来たね。



 「……つまらなかったでしょ?」

 「……いえ、私にも親はいませんから」

 「そっか……」



 静かになった……何にも話す事がないや。



 「……メイには話したい事があるって言いましたよね」

 「そーだね」

 「これを見てください」

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