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ジークフリート
第三幕その八
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はどうするのか」
 震えながらも何とか前に出ようとする。
「どうすればいいんだ」
「面白いものだ。竜で恐れを知らなかった若者が」
 ローゲはそんな彼を見守り続けていた。
「これで知るのだからな」
「唇が美しい」
 恐れの中で見ながら唇に気付いた。
「この花咲く口元を見ればどうするか」
 また言う彼だった。
「甘い吐息のかぐわしさ。そうだ」
 自然とそうしたのだった。
「この唇と僕の唇を会わせよう。そうしてみよう」
「よし、動いたな」
 ローゲの言葉は微笑んでいた。
「いよいよだ」
 ジークフリートはここで接吻した。その唇を重ね合わせる。するとだった。
 彼女がゆっくりと目を開きだした。ローゲはここで姿を消した。炎はジークフリートに気付かれないように姿を消したのであった。
「さて、あとは最後の仕事だ」
 こう言って姿を消すのだった。
「ブリュンヒルテ、その時を待っているぞ」
「私は」
 そのブリュンヒルテが目を開いたのだった。
「目覚めたのね」
「目覚めたのか、今」
「私を起こしたのは誰なの?」
 こう言うのだった。

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