生命の碑
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ような顔だ。そして、ゲツガに近づいてささやくように言った。
「女性に対しての口の聞き方がゲツガもなってなかったらフブキのようになるからね」
そう言うと先に行ってるねといって、生命の碑のほうにスキップしながら行ってしまった。ゲツガは、このとき、絶対に女には逆らわないほうがいいと本能が言っていた。
裏路地にいると思われるフブキを呼び出しにいくために裏路地に入ったゲツガはその光景を見て唖然とした。そう、血のようなものがあたりに飛び散り、フブキの口からもそれが大量に吹き出している。
「な、なんなんだ一体……」
ゲツガはあまりにもありえない光景をみて絶句する。血が出ることのないこの世界でこのようなことが起きるのかと考えてしまったが、そんなことが起きるはずもないと理解してすぐにその液体を調べる。
「この液体は!」
ゲツガはそれを掬うように集めて片手に集めるとタップしてアイテム名を調べる。その正体なんと…!
「これは、ただのトマトじゃねえか!!」
ゲツガはすぐに手からそれを離して地面にたたきつけた。しかしなぜこのようにトマトが散乱しているのであろう?そんなことを考えるがフブキを見ると恐ろしくて考えるのが怖くなった。
「とりあえずフブキを起こさなきゃな」
ゲツガはため息を吐きながら、フブキに近寄って身体にまとわりついているトマトの汁を払い落とした。そして揺らす。
「おいフブキ。起きろ。メルムが先に行ったぞ」
「……う〜、や、止めてくれ、姉さん、それ以上はマジで死ぬ……」
まだ気絶しているのか、そう唸っている。ゲツガは仕方ないと思い、思い切り腹に向けてエルボーを振り落とした。
「おげぇ!」
「よう、ようやく起きたか」
「なんて起こし方するんだテメェ……」
腹を押さえて起き上がるフブキは、はっとなってすぐに周囲を確認し始めた。多分、メルムがいるか確認しているのだろう。
「大丈夫だ、メルムは先に行った」
そう言うとフブキは、息を大きく吐いてから立ち上がる。
「まったくひどい目に遭ったぜ。これで姉さんに受けた虐待の回数がもう指の数を全部合わせても足りないくらいになったぜ」
「それは、ご愁傷様」
ゲツガはそう言うと裏路地から出る。そして、その後にフブキも出てくる。
「メルムとは絶対戦いたくないな。俺でもって言うより絶対男は敵わないし尻の下にしかれるだろうな」
「姉さんに楯突かないほうがいいぞ。あの人普段は人にやさしいけど、時々怖い目にあってるんだからな、俺が」
「それはお前の自業自得かもしれないが絶対に逆らわないほうがいいってことはわかった」
「そのほうがいいな。俺だって命が惜しい。だけど、俺なんか悪いこ
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