第一物語・後半-日来独立編-
第三十三章 辰の地、戦火は走る《4》
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やってみますわ。日来覇王会隊長も侮れないということを思い知らせるいい機会になりますし」
『なら、宜しく頼むよ』
そう言い、映画面は消えた。
見届けた後に、ふう、と一息吐く。
隙を得たネフィアに二人、黄森の者が襲い掛かって来るが、攻撃が届く前にネフィアは土を蹴り飛ばし宙へ行った。
攻撃が抜ける音が聞こえる頃には、高く十数メートルもの大ジャンプをしていた。
宙にいるにも関わらず姿勢は崩れず、視線を北側へと向ける。
西貿易区域の真上か、またはそれよりも後方に三つの光るものがある。
騎神であることは先程のことで知っている。
光の正体は太陽光が騎神の装甲に反射して、その反射した光が今は見えているのだ。
反射すると言うことは自分の位置を敵に知らせるようなものであるため、あれは実戦用ではないことは理解出来た。
日来相手に実戦機を使うまでもない、と言うことか。
ナメられて怒りが込み上げて来ますが、幸運だと喜ぶべきなのでしょう。
ジャンプの高さがピークを向かえ、今度は落ちる時。三つの光に一つの光が加わった。
光の後から音が聴こえ、その音は銃系統のものだ。
一つの光は加護を得ているのか一度加速して、距離を一気に縮めて来た。
狙いは自分だ。
直感的に判断し、右手首に掛けていた銀輪を鞭状に変化させた。
「弾け、銀冠|《ジィルバーンクローネ》!」
それから数秒もしないで光は流魔弾と分かる位置まで来たが、目で追えない速度ではない。
冷静に鞭を操り、宙で振り抜いた。
鉄が何かに思いっきりぶつかったような、高い音が響き渡った。
ぶつかった時の衝撃で流魔弾が砕け散り、一方のネフィアが持つ銀の鞭は無傷だった。
「これで注意はわたくしに向いた筈。言われた通り町民グラウンドへと向かいましょう」
落ちる身が地面に触れる前に、鞭を近くにあった家の屋根へと突き刺し、先端を三本の鉤爪に変形させる。
瓦の屋根に鉤爪は食い込み、銀冠を縮ませることで宙での移動を可能にした。
町中での戦闘は建物が密集している所、そうではない所など様々だ。
今さっき、自分達が戦闘をしていた所は家がある程度の距離を置き建てられているが、見晴らしが良過ぎるため絶好の的だ。
騎神はあの距離からこちらを狙ってきたのだ。当然、仲間達も射撃範囲内に入っているだろう。
早くここから離れなければ仲間に被害が及ぶと判断し、屋根に着いた両足を素早く動かし次の屋根へと飛び移る。
反射する光が近付いて来る。加速機を噴かせる音と大気を裂く音と共に。
屋根から屋根へ飛び移り、その間、騎神の銃撃に会いながらも町民グラウンドを目指してネフィアは一人進んで行った。
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