二十二話 会議開催
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若い女性の声が響き渡った…
コルベール達二人は、ドアの方を見た。
見覚えのある顔がドアの開いた場所から出ていた。
「この王宮内で揉め事ですか?」
普段なら絶対に見ることの出来ないその高貴な人は言った。
「ま、マリアンヌさ、様!」
女の方は焦った、焦りすぎて手汗が酷く出てしまいマリアンヌに膝まづく時にトリステイン式の膝当てに手を置こうとして滑りそうになり泣き顔になりっていたのだった。
今までの強気は何処へやら軽く体が震えていた。無理もないこのような近間で王族を見るのは親衛隊の中でも一握りだけだ。更には王族から嫌われるとチェルノボーグ看守行きだと噂されていた。
チェルノボーグとはトリステインの誇る巨大な監獄であり、過去には看守が惨殺されたり強姦されたりと狂った監獄なのだ。当然だが彼女は女である男の監獄には入れないがしかし、チェルノボーグでは同性だからといって安心は出来ない。過去のチェルノボーグで起きた事をまとめた本が出ているが内容はこういったものだった。
チェルノボーグの朝は、看守に唾を吐くか熱い一晩を共にした同室の者を起こすことから始まる当然だが同室の者は同性だ。朝飯には石のようなバケットを塩しか感じないスープで胃にかっ込み、牢屋主ならば同室の者から食べ物をもらえる。お返しに牢屋主からその晩はお勤めが免除される。そんな朝飯は早く過ぎ去り作業の時間になる、作業は過酷だチェルノボーグには良質の石と鉱石がとれる坑道を男は削り、女はトリステインの輸出物の木を加工する。木の皮を剥くのがうまければお姉さまと呼ばれモテるだがうまくなければ無視される。若い女性は加工するが年寄りはどうだろう?年寄りは男女関係なく一ヶ所に集められひたすら写本をさせられる。非常に有効的な工場として牢獄は機能していた。そして、死体になったら廃鉱を広げた墓場に埋められる。過去に数十名しかチェルノボーグからでた事はない。つまり、死んでも出られないのだ。我らにはわからないが死んだ気になっている囚人達は何も恐れない。こういった内容だったのだ。其だけならまだ良いが平時で死者が一番多い、この事がより本の中の事を本当だと思わせていた。だが、彼女は知らないがただ単に死者については、看守に送られてくるのが年を取った者が多いためなのだが。
そんな話はともかくとして彼女は内心恐怖していた。若くして親衛隊に配属尚且つ、王の執務室前の警備をする立場になったのだから、彼女の出身は王の孤児院であった。道で倒れていた彼女をワイアットは優しくしてくれた。あのままだったら商売女に身をやつしていただろうと考えると恐ろしい。
といった様な事があり、彼女はワイアットを尊敬しているのだった。
そんな彼女の事はさておき、コルベールは唖然としていた。
無理もないワイアットはわりと多くの人が見ているのだった。
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