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鋼殻のレギオス IFの物語
第一章 【Re:Start】
第一話
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「ああ、いや。ごめん、そういうわけじゃなくてその……」

 どういったものかとつい言葉が迷う。視線をやれば、クラリーベルはさっさと無関心を貫いて頬で机の冷たさを感じている。ほんと、どうしてくれようかこの監視役。
 男子生徒はそんなクラリーベルではなくレイフォンに視線を向け、一度頷く。

「ああ、大丈夫。分かってる」
「それならよかった」

 低めの落ち着いた声で言い、男子生徒はレイフォンに向けた視線を教室の扉へ。そして大きく見渡すように教室を見たあと、再びレイフォンへ。正確には、レイフォンの椅子へと視線を向ける。

「前過ぎるのは避けたい。けど、後ろ過ぎると逆に後ろめたい。一番後ろではなく出来れば自分の後ろを作りたい。教壇からは人の影になるであろう場所で。その為の後ろから二列目、窓側から二列目、だろ? オレには分かってる」
「いや違うから! そっち?!」
「だが悪いな。最高の三列目は既に俺がとっていた」
「だから違うよ!」

 実際はその通りなところもレイフォンにはあったが、それは無視する。というか何故にこの相手は指を立てて自信満々に言ってるのだろう。訳が分からない。真面目な顔で淡々と言っているが、言っていることは不良生徒と行ってもいいのではないだろうか。

「ふみゅ、しゅるどいでふねぇ」
「取り敢えずクラリーベルは寝てて下さい」

 それと、出来るなら喋るのは頬を机から離してからにして欲しかった。言われたクラリーベルは黙って生温かい視線を二人に向ける。本当に今にも寝そうな雰囲気だ。
 どことなく猫みたいなイメージがレイフォンには浮かんぶ。喉を触ればゴロゴロ言いそうだなと思ってしまう。
 そんなやり取りを見て男子生徒は口端を小さくあげ笑う。

「二人は同郷か? 仲がいいな」
「色々あってね。本当はもう一人居るんだけど、クラスが別れたんだ」
「まあ、そういうこともあるだろうな」

 出来れば三人とも同じクラスの方が色々とありがたかったが、まあ、しょうがない話だ。選考基準にもよるが、寧ろ三人とも同じクラスの方が珍しいだろう。そこまで距離的に離れているわけでもないし、家自体はすぐ隣だ。問題はない。

「こっちは一人でな。ふと見たら同族らしき奴がいて声かけたってわけだ。そしてそれは正しかったらしい」
「同族言われても困るけどね」
「そう言うな。仲間が欲しかったんだよ。共同戦線はろうぜこれからのために」
「……共同戦線?」
「勉強のだよ。……何だその視線? あれか、俺が優秀とでも思ったか。眼鏡は頭良いって偏見持ちか。真っ向から反例見せるぞ。言っとくがラインぎりぎりを飛んだことしかない。ここに来たのだって、親から離れて遊ぶためだ」

 聞いていもいないことを言い出す相手を見てレイフォンは確信す
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