第一章 【Re:Start】
第一話
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んぽんと進み拍子抜けしてしまう。
長いあいだ使われていなかったのだろう。ホコリ臭いところはあったが実際に見てみた部屋は思ったよりも広く感じられ、差し込む光が印象的な空間だった。
「何か困ったことがあれば言うといい。真っ先に手伝おう!」
よほど鬱憤が溜まっていたのだろう。なんでも、退屈は人を殺すとか。案内してくれた先輩は笑顔で言ってレイフォンの背中を叩いた。
清掃にメンテナンスに他色々。本来一週間程度のところ四日で部屋に入れるようにしてくれるとか。よほど暇らしい。その喜びようにレイフォンはわけもなく悲しくなってしまった。
後のことは上機嫌な先輩に頼み、レイフォンたちは商店街へ出る。色々と雑貨や家具に目を通しておかなければならない。
「バイトとかも探さないとですよね」
「ええ、色々経験してみろって陛下は言ってましたし。面白そうなの探しましょう」
自分に合うのが見つかればいいが、とレイフォンは思う。当たりならば色々と得だが、きついものは精神的に来るものがある。
そう言う意味でシュナイバルの飲食店なんかは当たりだった。今あの人たちはどうしているだろうかと思いを馳せる。今度手紙を出してみるのもいいかもしれない。ついでに清掃関係の連中は潰れてればいい。
「部屋も決まったことですし、今日から組手とか始めましょうよ。開けた場所探して」
「あー、いいですよ。暫く動いてませんし、調子を戻さないとですね」
グレンダンを出て二三ヶ月以上、まともな鍛錬をしていない。まだ剣を握るのには多少抵抗があるが、命令だから仕方ない。縁外部にまでいけば人目も大丈夫だろう。いずれはもっと近くで動ける場所を探す必要があるが。
「私もそれ見ていい?」
アイシャに言われ、少し考える。
「いいけど、見てても面白くないと思うよ。余り見えないだろうし」
「少しは見えるから大丈夫。連れてって」
縁外部までは遠いが、背負っていけばすぐだろう。特に問題はない。
上機嫌なクラリーベルを見ながらレイフォンは夜のことを考える。これからはそんな日々が続いくのだ。
少しあとに迫った入学式の日を思い、レイフォンは新しい生活に思いを馳せた。
時は経ち入学式の当日。レイフォンたちは走っていた。
理由は酷く単純。遅刻しそうなのである。というか遅刻が決定しているのだ。
「何で二人揃って寝坊してるんですか!?」
「私に言われても困ります!」
明日入学式だやったー、などと昨夜テンションが上がり試合形式の組手やらなんやらをいつも以上に二人は頑張った。結果、鍛錬でほどよく疲れしかもいつもより遅くまで夜更かしした二人は揃って寝坊したのだ。レイフォンとしてはまだ
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