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鋼殻のレギオス IFの物語
第一章 【Re:Start】
第一話
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優しいと言われた前生徒会長はその性で」
「結果よければ、とか思ってそうですよね。絶対机の上で腕組んで含み笑いとかメガネ指で動かして悦に浸るタイプですよあれは」
「人のことなんて考えていませんよ。相手の意思を無視して勝手な決定とか嫌になります」
「真っ黒ですね」
「はい、真っ黒です。性悪です。気に食わないです」
「気に入りませんね……で、あなた誰です」

 いつの間にか会話に加わっていた相手をクラリーベルの瞳が捉える。レイフォンとアイシャもそっちを見る。

 第一印象は人形、人によっては妖精などというかもしれない。静謐な輝きを讃える腰まで届くほどの長い輝く銀髪。芸術品のように整った容貌と白い肌、感情を読めない無表情がことさら人間離れした美を意識させるだろう。

 そんな美少女、という言葉が当てはまる制服に身を包んだその少女はふと、揚げ団子を指差す。

「貰ってもよろしいでしょうか。好きなんですそれ」
「どうぞ。何ならもうひと皿頼みましょうか?」
「いえ、そこまでは」

 団子を一つ摘み、少女は口へ運ぶ。頬を膨らまして咀嚼していく。無表情で口だけ動いているのが妙にミスマッチだ。好物ではなかったのだろうか。
 暫し続く無言の時間。三人に見つめられながら、刺繍の色から上級生だろう少女はこくりと小さな喉を動かし団子を飲み込む。

「ご馳走様です。フェリ・ロス、と言います。会長の悪口を言っていたのでつい参加してしまいました」
「クラリーベル・ロンスマイアです。つまりロスさんも……」

 言いかけたクラリーベルに対し、フェリは軽く首を振って制止する。

「フェリでいいです。私たちは同士です」
「……なるほど。私もクラリーベル、或いはクララで良いですよフェリ」

 二人が握手を交わすのをレイフォンとアイシャは黙って見ていた。正直、よく訳がわからないからだ。取り敢えず仲良くなったらしく、そのままカリアンの悪口を言い続ける二人を横目にレイフォン側も食事を続ける。育った環境故に食事を残すは嫌なのだ。

「アイシャちょっと……」
「はい、ソース」
「ありがと」

 ほくほくした揚げ物をサクっと。断面から溢れてきた肉汁に慌てつつ零さないように一気に口へ。油の熱さに悶絶しながら噛み砕いていく。歯が当たるだけで切れていく肉の柔らかさ、染み出す肉の旨味。それをホンの少しの自家製ソースの味がコクを出しレイフォンの口の中に広がる。

 存分に味わって飲み込んだあと、アイシャから渡された冷水で口の中を冷やす。至福の時間である。今度は塩をかけて食べてみる。これも旨い。あくまでも塩はアクセント、肉の味が引き立つ。余計なものと混ざらない肉の旨みが舌を直撃、絶品である。

 ふと、アイシャから魚の切り身が出される。

「レイ
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