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鋼殻のレギオス IFの物語
第一章 【Re:Start】
第一話
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る自分たちにレイフォンは少し肩が狭い。

「どこも政治家ってあんな感じなんですかね。うちの陛下も自分本位で好き放題というか。まあ、陛下の場合は頭動かすより力押しですけどね」
「いつも言ってますけど、シノーラさんってそんな、その」
「一応、これだけはしなければ、っていうことはするんですけど、それ以外はエアリフォン卿……カナリスさんに投げてます。昼寝したり脱走したりですね」
「つまり、駄目人間ね」
「その通りです。見習っちゃいけない人です」

 もきゅもきゅと頬をふくらませてクラリーベルは頷く。それにしてもどれだけ食べるのだろう。武芸者であるクラリーベルはまだしも、朝を抜いているとはいえアイシャの食べるペースは落ちない。一体細い体のどこに入っているのかレイフォンには疑問でならない。
 食事をしながら、朝のことについてクラリーベルはクラスが違ったアイシャに喋る。
 
「アイシャさんの方は何かありました? 入学式の事とか、これからのこととか」
「近くに座った子達と少し話したくらいで、同じだと思う。私たちみたいに同じ場所から三人で来たって。ただ、その子は騒動の性で骨折して、凄く臆病になっていた」
「それは災難でしたね。……すいませーん! 香草焼きと揚げ団子追加でお願いします」
「かしこまりましたー」
「あと、この店で一番高いやつもお願いします!」

 ザッツ豪気。自分ひとりなら一生涯絶対にしないだろう注文の仕方にレイフォンは気が遠くなりそうだ。それに注文ならウェイトレスを呼べばいいのにそれも無視。高い店だけに周囲の目が痛い。思考を停止しただ出てきた物を黙々と食べるマシーンにレイフォンは徹する。

 こんな機会でもなければ高い飯を食べることなどレイフォンにはない。味を覚えるようにしっかりと噛んで飲み込む。高いだけあって下味がつけられている食材にそれを昇華させる計算された火の通し。肉は柔らかく野菜はシャキシャキと新鮮だ。合成甘味料などといったものを一切感じない抑え目で他の食材の味と混ざり合った旨み。いくらでも食べられそうだ。

 周囲からの視線も何のその。ひたすらに心を殺してレイフォンは食べる。だがクラリーベルはまだ思うところがあるのか話はカリアンの愚痴りに再度移り喋り続ける。

「あの会長まだ諦めてません、気をつけて下さい。どうせ何回かに分けて懐柔する予定だったでしょうし。あれは絶対裏で何かやってる顔ですよあのメガネ」
「はい、その通りです。あの眼鏡は色々と汚いことやっていますよ」

 同意の声にクラリーベルはうんうんと頷く。

「やっぱりですか。歯向かうものは制裁、とか。嫌ですよねほんと」
「私が聞いた話だと選挙の時の対立候補にしたことは酷く、裏から手を回して引きずり落としたとか何とか。洒落は通じないが真面目で
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