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鋼殻のレギオス IFの物語
第一章 【Re:Start】
第一話
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、恩賞も示しあくまでもそちら側の権利を重んじる、といった体を出せた。前年の生徒会長を例に出し、自分がかける思いも暗に訴えた。結果、相手は妥協案を出してきた。
 そう、何の問題もない。相手の心に、自分の考えを滑り込ませられた。

 目的はあくまでも都市の延命であり、彼らを武芸科に入れることではない。目的と手段を履き違えることほどバカバカしいこともない。
 そう、彼ら二人の力を借りる上で、現状何の問題もないのだ。

「逃げられさえしなければいくらでも手段はある」

 小さく呟きながらレイフォンの書類を元の場所に戻す。
 ティーセットを棚から出し、ソファに座ってお茶を飲んでいたレヴィがそれを目ざとく見つける。

「あー、会長何か悪い顔してる。その笑い方何か怖いですよ。悪人面」
「その程度、飽きるほど言われ慣れてるよ」
「後輩いじめちゃ可哀想ですよ。アルセイヌ君いい子で好きですよ私」
「『いい子』か……どうなのかな。まあ、名前を間違えられていては世話ないよ」
「?」

 不思議そうな顔を向けられるが、生憎訂正する気はカリアンにはない。「仲間な気がするんだけどな」と呟きつつお茶を飲むレヴィを横目で見る。そう言えば腐る、とは何だったのだろうか。まあいい。名前の訂正も含め後回しだ。レヴィの面倒な性格は役員として知っている。変に突っ込めば違う違わない論争がめんどくさい。

 頭をほぐすように指で額を揉み、目をつぶってひと呼吸。カリアンは頭を切り替える。生徒会長としてやらなければならない仕事はまだ山積みだ。もう暫くしたら他の役員たちも部屋に来るだろう。
 ふと、お茶を飲み終わったレヴィがカリアンの方へ歩いてくる。そして近くの窓を大きく開ける。

「さっき何か……」
「――何をしている!?」

 カリアンの声が届くより早く、入ってきた風が書類を吹き飛ばし床に撒き散らす。
 無言で近づいたカリアンは窓を閉め、そのまま散らばった書類をまた拾い集めていく。

「そこの窓は開けるなと言っておいた思ったのだが」
「あはは……何かが外にいたような気がしまして、つい」
「猫か鳥だろう。どうせならそこからさっきの様に飛んで確認したらどうだい。今の私ならきっと止めないだろう。もっとも、今度は緩衝材はないがね」
「すみません。手伝います」

 散らばった書類を拾い集め、今度は飛ばないようにとちゃんと纏めクリップなどで留め置く。続きをするためにカリアンは席に戻り、ペンを握る。

「財布出てますけど、これは盗ってくれという私へ……」
「そんなわけないだろう、バカを言うな。触らない触らない」
「冗談ですよ。そう言えば処理の終わった書類って運んじゃっていいですか? そっちの山ですよね」
「ん? ああ、少し待ってくれ」

 山の
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