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ジークフリート
第二幕その一
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第二幕その一

                   第二幕  倒れる竜
「御前か」
「何っ、貴様か」
 アルベリヒは森の中にいた。そこでさすらい人と会ったのである。
「何故ここにいる」
「それはこちらの台詞だ」
 さすらい人は彼を見据えながら応えた。
「何故ここにいる」
「知れたことだ」
 アルベリヒもまた彼を睨んでいた。
「わしのものを取り返す為だ」
「御前のものだというのか」
「そうだ」
 忌々しげに彼に言葉を返す。
「その為にここに来て何が悪い」
「まるで巨人の門番だな」
 さすらい人はその彼を侮蔑して述べた。
「まさにな」
「わしが門番なら貴様は何だ」
 アルベリヒの怒りはさらに高まる。
「何だというのだ」
「私は見る為に来たのだ」
 さすらい人自身が言うにはそうなのだった。
「何かをする為ではない」
「貴様の言うことなぞ信じるものか」
「何故そう言えるのだ?」
「あの時わしを騙したのは誰だ」
 彼を指差しての言葉である。
「忘れたとは言わせん」
「あれは当然のことだ」
 しかし彼は言うのであった。
「貴様の邪な野心を止める為にだ」
「必要だったというのか」
「そうだ」
 こう言ってそれを正当化する。
「その通りだ」
「悪辣な策略家よ」
 さすらい人を評しての言葉である。
「昔御前に縛り上げられた時の様にわしが馬鹿であったならば」
「どうだというのだ?」
「貴様が指輪を手に入れるだろう」
「そう思っているのだな」
「だが今は違う」
 はっきりと言い返したのだった。
「今のわしは違うぞ。もう貴様のことは知っている」
「では騙されないというのだな」
「何があってもだ」
 それはないというのだ。
「貴様の弱みも知っている」
「おう」
「わしの宝で御前は借りを返した」
 ここでも話は過去の事柄になっていた。
「御前にヴァルハラを築いてやったあの巨人達の労力に対してな」
「それも今はだ」
「あの傲慢な連中と貴様が契約したことはだ」
 その時のことの話が続く。
「支配の源である貴様の槍の柄に今も文字として残っている」
「この槍にだ」
 それは他ならぬ彼が最も知っていることだった。
「その通りだ」
「貴様があいつ等に支払ったものは再び巨人達から奪うことはだ」
 アルベリヒは彼を指差して言い続ける。
「許されてはいない。貴様が自分でその槍の柄を否定することになるのだぞ」
「それはその通りだ」
「ではわかっているな」
 彼はさらに言う。
「貴様の手の中にありながらその槍は籾殻の如く砕け散るのだ」
「この槍の文字はだ」
 さすらい人はその槍の文字を見ながら述べてきた。
「貴様の如き悪党と結託する為にあるのではない」
「では
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