第一幕その十五
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第一幕その十五
「そこにその竜がおるのじゃ」
「そこにだな」
「欲望の洞穴と呼ばれていてじゃ」
このことはジークフリートにはじめて教えることであった。
「森の遥か東の奥の外れにあるのじゃ」
「そこか」
「そこから世界はすぐ近くじゃ」
このこともジークフリートに告げた。
「世界に出られるぞ」
「ではすぐにそこに連れて行け」
有無を言わせない口調だった。
「いいな、すぐにだ」
「ああ、わかった」
「その為には剣だ」
ジークフリートの方から言ってきたのだった。
「剣を早く作るんだ」
「剣をか」
「そうだ、すぐに作るんだ」
また彼に告げたのだった。
「その剣をだ。早くだ」
「だがわしにはできん」
何故か今は涼しい顔で告げるのだった。
「それはじゃ。できん」
「できないというのか」
「あの剣だけはじゃ」
忌々しげに出してきた言葉だった。
「それは無理なのじゃよ」
「怠ける為の嘘なのか」
「嘘ではない、それはこれまで言った通りじゃ」
「そうか、それなら」
それを聞いたジークフリートはすぐにこう言ってきた。
「その剣の欠片を寄越すんだ」
「何っ!?」
「聞こえなかったか!?寄越すんだ」
有無を言わせぬ口調で彼に言う。
「その剣を僕にだ。寄越すんだ」
「一体何を考えているんじゃ」
「こうなったら僕が作る」
「何っ!?」
「聞こえなかったか、僕が作るんだ」
彼は言うのであった。
「この僕がだ」
「何を言っているんじゃ御前は」
「弟子が親方の言葉を聞いているだけじゃ」
ジークフリートは戸惑うアルベリヒにさらに言ってきた。
「親方のできないことをできるようになるものか」
「だからだというのか」
「そうだ、僕がやる」
言いながらもうその剣を取ってしまっていた。
「早速はじめるからな」
「馬鹿な、そんなことが」
「いや、できる」
やはり有無を言わせない。
「僕はできるんだ」
「何故そう言えるのじゃ」
「わかるからだ」
こう言いながら早速火を起こした。そして周りにある機械もだ。
「機械の動かし方を何時」
「御前のやってることを見てわかったんだ」
ジークフリートは答えた。
「全部な」
「何ということじゃ」
「よし、はじめるぞ」
「待て、その機械は使わんのか」
「ああ、いい」
ミーメにとって最も大事なものは無視したのであった。
「こんなのもはいい」
「しかもそんなにすり減らすのか」
「そうだ」
今度は剣をかなり削っていた。
「こうするんだ、折れたものには」
「何という馬鹿なことを」
ミーメにとっては想像を絶するジークフリートの剣の使い方であった。
「これが剣の作り方か」
「さあ、やるぞ」
「熱くは
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