ALO編
episode5 旅路、風妖精領2
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「はっ!!!」
鋭い掛け声とともに繰り出される長刀の一撃が、怪物の体を袈裟掛けに切り裂いた。
相手のモンスター……鷲の羽と頭をもった鳥人間、『イーグリードファイター』もかなりの速度と飛行能力をもった相手だったが、振り回される両手剣はリーファには一太刀としてクリーンヒットすることはない。
自ら古参と称するだけあって、このシルフの少女はかなり出来るようだ。
(剣道……か)
あの回避は、この無法な世界では培われないだろう、現実世界での武道の礎からなる戦闘技術。俺やキリトの『見切り』とは違うその避け方……体の中心線をずらし、クリティカルダメージを避けることを重視したスタイルは、「一本」を避ける剣道の動き。
その予想の裏付けとして、先までのケモノ然としたモンスターより、『イーグリードファイター』の様な人(?)型のほうが各段に戦いやすそうに見える。その剣筋の見切りと弾きのキレ、そしてなめらかに振り抜かれる剣戟は、キリトレベルに届くか。
そしてその傍らで、
「やあっ!」
ハの字眉の少年、レコンもなかなかに善戦している。
リーファの長刀という高火力の両手武器とは違い彼の持つダガーでは一撃必殺は狙えないが、それでも武器の軽さを生かした連続攻撃でチクチクと敵の動きを封じ、魔法攻撃を使う『イーグリードメイジ』に呪文を使わせない。随意飛行は苦手なようで片手がスティックで塞がっているが、それでも遊撃としては十分に及第点だろう。
「やるねえ、二人とも……」
勿論俺も、ただ黙って見ている訳ではない。二人と違って飛行そのものを苦手とする俺は、戦場……森の上空数メートルでの戦闘には混じれない。だがそれでも並んだ木々の先端近くの枝を足場に、いつでも跳べる準備をしており、
「よっと!」
生じた木々のざわめきと共に、一気に跳躍した。
狙うは、同様に木々の隙間から空中の二人へと飛びかかる影。モンスター、『フォレストイーグル』……鷲兵士よりも小柄で各種ステータスこそ劣るものの、木々の間に隠れられるという違った厄介さを持った敵。だが、システム外スキルである『聴音』の使える俺にはその隠蔽は通じない。
「らあっ!」
巨大(といってもせいぜい羽を広げて一メートルといったところだが)な鳥型のそのMobの体を狙い打つ回し蹴りに、敵が嬌声をあげて吹き飛び……次の瞬間横から飛来した氷矢に貫かれ、ポリゴン片となって爆散した。
五人の中で唯一の魔法使いである、ブロッサムだ。高威力の範囲攻撃を連発できるほどのレベルはさすがにないが、それでもこういった単発で連射の効く魔法攻撃は討ち漏らしを減らしてくれる。空中戦から少し離れた位置からのトドメを狙う低威力の攻撃なら、|
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