ALO編
episode5 旅路、風妖精領2
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憎悪値を煽ることはほぼ無い。後衛のやりかたの分かっている、堅実な戦い方。SAOでのレミの支援を思い出すぜ。
そして何より。
「すごいね、これ!」
「ボク一撃であんなに敵のHP削ったの初めてだよ〜!」
俺達の威力の底上げしている支援の効果が半端では無かった。笑顔を向ける二人の先で微笑むのは、横笛を咥えたショッキングピンクの髪の少女……モモカだ。演奏を切らさずに、眼鏡の奥の目だけでウィンクして二人に応え、更に笛の音を響かせる。
音楽妖精の固有の支援特技、『魔譜演奏』。
簡単に説明すれば、本来このALOで魔法を使うためには呪文を唱える必要があるが、それが特定の音楽になったものだと思えばいい。呪文と同様に途中で失敗すればその効果は消失してしまうので呪文よりも難易度は高い技だが、彼女はこの『魔譜演奏』の達人だった。恐らく向こうの世界でも音楽に関わっているのだろう。
(……相変わらずの冷静さだこって)
響く勇壮な音楽は、《猛る獅子の狂想曲》。演奏の聞こえる範囲のパーティーメンバーの攻撃力を上昇させる支援技で、演奏という複雑な過程を経る分同レベル帯の演奏よりも高い効果を誇るそれが、俺達の戦闘をサポートする。
この演奏が、戦闘開始から一度も途切れることなく続けられている。
『索敵魔法で十体規模のイーグリード部隊の接近が確認されています。下にもまだ残ったイーグルがいるかもしれません。油断せずに行きましょう』
「おっけー!!!」
「わかったよ〜!」
「んじゃ、俺が下からあぶり出すぞ!」
連続しての戦闘だが全員意気軒昂、モモカの支援も絶えることは無い。
飛来する影を捕えたリーファが大上段に長刀を振りかぶって突進する。「まってぇ〜」と情けない声をあげてレコンがその後を追いかけ、モモカも演奏の効果範囲内に仲間を入れ続けるべく演奏を絶やすことなく随意飛行で追随。ブロッサムがこちらを見やりながら飛んでいく。
そして。
「らーすとっ、っと!」
恐らく最後の残党だったのだろう飛びだしてきた『フォレストイーグル』を全力で踏みつけて爆散させ、それを足場として俺も跳躍。先を行く四人の後を追いはじめる。飛行する彼らと違って木々を飛び移る必要がある俺は、こういう場所では若干移動で劣る。四人に離されないようにその背中を見つめて足を動かす。
そして。
―――思い出せば、俺はSAOでもしんがりが多かったっけ……
「っ……」
ふっと、目の前が霞んだ。
ああ、そうだ。俺はかつてあのデスゲームで、こんな冒険をみんなと幾度となくこなしてきた。先が不安な場所であれば偵察として先を行くこともあったが、そもそもの索
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