ALO編
episode5 旅路、風妖精領
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っぱ午後のダイブはいいな。ナーヴギアのおかげで体の感覚が僅かに、しかし確実にクリアだ。この感覚が、午後のソロプレイで俺を生かしている一因であることは間違いないな。午後なら転倒や見切りのミスが大分減ってきている。
「うし」
一言気合いを入れて、ゆっくりと宿のドアを開ける。男一、女二のパーティー構成のおかげで、俺は宿をとる際は大概一人部屋だ。脱走、もとい出かけるのは容易いし、万一相手もダイブしていても(ブロッサムあたりは昼間に多分部屋で『裁縫』や『細工師』の作業をしている危険が高いと俺は睨んでいる)バレることは無い。
街へとくり出すべく、そっと宿のドアを開け。
「およ? シドさんどうされたんです?」
全く同じタイミングで隣室のドアを開けたモモカと、ばっちり目があった。
◆
「それにしても、シドさん、」
「だーから今日だけちょっと暇が取れたんだって。いつもしてるわけじゃねえよ」
まあ、嘘だけどな。そしてブロッサムの視線が痛い。ばれてるはず無いんだが。
「それにしてもシドさん、どうするつもりだったんです? あんまり出歩くな、って言われてたんですよね?」
「その言葉、そのまま返そう」
「私はリーファちゃんにスイルベーン領内をいろいろ案内してもらう約束してたんですよ! 実は結構凄腕らしいから、簡単なダンジョンくらいなら行けるって言ってたしね!」
「んじゃあ俺もついていっていいか?」
「ホント!? それなら嬉しいですよ、一緒に行きましょう! ね、ブロッサムさんもいいですよね!」
『無論です。リーファお嬢様も異論はないでしょう』
瓶底眼鏡の奥の目が目まぐるしくその感情を表し、最後に満面の笑顔を形作る。うん、有難いことに最初に聞かれた「今日の目的」への意識は忘却の彼方へといってしまったらしく、案内人無しだったら『透明化マント』のお世話になる予定だったのはバレずにすんだ。ブロッサム、その目はなんだ? 言いたいことがあれば聞くぞ?
◆
「で、結局五人ともなんだ」
「うん! どうかな、ちょっとキツイかな?」
「ううん!この人数だったら、ちょっと難しい中立域ダンジョンとかも行けるかな?」
「えぇ〜、中立域まで行くの〜? PKとかされたら嫌だよ〜」
「ウジウジ言わない! 嫌なら別にあんたはついてこなくてもいいわよ」
「そんなぁ〜……」
辿り着いた先に待っていたのは、二人のシルフだった。一人は、女……モモカの音楽を熱心に聞いていた子の一人だった。くっきりした眉に、気の強そうな瞳。目鼻立ちのはっきりしたたおやかな美人……と、美少女の中間くらいの少女。腰には長い日本刀の形の長刀を携え、背中にはシルフの証である薄緑色の燐光を纏った四枚の
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