ALO編
episode5 旅路、火妖精領2
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すが丁度今、手段を知っているだろう人を見つけましたよ?」
男の口元だけの笑いが、深まる。
それをみて、俺の顔にも笑みが浮かぶ。
「ほう。確かに俺はサラマンダーの『将軍』だ。《パス・メダリオン》も発行できる。……が、タダで、とはいかんな。貴様は俺に、何をしてくれるんだ?」
「……俺の持つ、名鑑にない古代武具級の重金属鎧でどうです? その鎧よりいいものだと自負していますが」
実体化させる、紅の輝きを放つ金属鎧。影妖精領で手に入れた、俺の持つ最高額防具。
だが、それは逆効果だったようだ。
男の顔が、獰猛に歪んで、笑いに凄味が加わる。
「俺はアイテムにはそこまで執着は無い。……が、それは別に貴様を斬り捨てれば手には入る。であるならばそうだな、俺に勝ったら、《パス・メダリオン》を発行してやろう」
「……勝ったら、ですか? ……五分逃げ切ったら、ではどうです?」
「ふ……いいだろう。俺の名はユージーン……いくぞ」
巨漢……ユージーンが、剣をすらりと抜きだす。
それを見て、俺も笑う。
相手が挑んでくるなら、問題ない。敬語を使う必要は、ないな。
「軽返事、後悔させてやるよ。……シド、だ。こいよ。スピードには、自信があるぜ? 俺は」
男の笑みが深まる。
そのまま。
デュエルの宣告すらなく、その戦士が俺へ向けて弾けるように突っ込んできた。
◆
突進。
それに続く、斬撃。
「……やるな!」
「そっちこそ!」
繰り出される剛毅な剣を、紙一重で回避する。
強い、と感じた直感は、やはり間違ってはいなかった。その巨大な剣の重みを生かした強烈な剣戟はかつてのキリトの戦闘スタイルに似ているが、それに加えて巨体を生かした突進攻撃まで織り交ぜてくる。
―――間違いなく、キリトランクの実力者。
全く、俺の勘は自分でも時々怖くなることがある。あの世界での二年間がこの力を俺に与えたのか、或いは代々伝わる四神守の血か。もしかしたら、親父の方の血かもな。まあ、今は別になんだっていい。使えるものは、使うだけだ。
「ぬぅん!!!」
再び振り抜かれる大剣を、大きく跳躍…バク宙して避ける。
高々と宙を舞った俺を、素早く飛翔、追撃してきたのは流石だ。
が、それも予測の範囲内。
「あだっ!」
空から俺達二人を眺めていたサラマンダーの男の胸鎧を足場に地面に急降下、再び戦場を地上へと無理矢理変える。空中戦は分が悪いが、完全な平面でも勝ち目はない。いやそもそも俺に勝ち目が無いのは分かりきっていた事だ。なんとか今辛うじて生きているのは、こちらから手を出さないでいい…その実攻撃に
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