ALO編
episode5 旅路、火妖精領
[3/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ち入り禁止よりは、こちらに自由度があるということだ。案外キリトとかなら、ガーディアンと切り結びながら街中探検とかできるんじゃないか?
つまりは、街に侵入することは、決して不可能ではない。それが『長』。
そして、『短』。
「NPCじゃ、交渉してもうなずいてはくれねーな……」
俺の十八番たる、「アイテム類を含む交渉」の余地が、一切ない。
「くっそ、逃げるしかねえか!」
続けざまに斬りかかるガーディアンからの連撃を辛うじて回避して、街中をあきらめていったん街の外……システム的保護圏外へと転がる様に逃げる。
しかし、その先を心配することは無かった。
「なんだ!」
「なにがあった!?」
「ケンカか!?」
「いや、他種族だ!」
途端に騒ぎを聞き付けた野次馬が続々と集まってきやがったからだ。その数十人、二十人……ってやべえ、中には杖やら槍やらの武器を構えている奴らもいるじゃねえか。殺す気マンマンだぞこいつら。一人ではとても対応できんぞ。
こうなるのが予想済みだったから、モモカとブロッサムは近くの中立村においてきた。
モモカは最後までついてきたがった(というか、俺を引き留めたがった)が、そこはブロッサムに押さえつけて貰った(彼女は喋らないが、指示すれば受け入れてくれる)。いつもはポッキーもかくやという折れやすさの俺の主張も、今回ばかりは意地を通させてもらった。まあ、これは立派に大義名分も立つし、許されるだろう。
ちなみに大義名分以外のコトを言えば、一人で街に入れば一日中クエストと街中探索ができるし。
と、そんなこと言ってる場合じゃないな!
「待った待った! 俺は戦う気はない!」
「だったら何の用だ!」
「行商だ! 単にアルヴヘイム中を回って、観光がてらにクエストアイテムを売ってる、ホラ!」
杖を構える赤髪(サラマンダーの特徴だ)のメイジの声に応えて幾つかのアイテムをオブジェクト化して広げる。広げるのは各種特産品、そして珍しいクエストアイテムを幾つか。あまりに珍しい……情報サイトに載っていないようなアイテムを晒すとPKされる危険があるので、細心の注意は払ってはいる。
(ちょっとの油断が、命取りだしな……)
なにせこの街は、積極的に風妖精や闇妖精を狩り、その戦利品をかき集めて戦力を強化、近いうちにこのゲームのグランドクエストたる『世界樹攻略』へと乗り出すと噂のサラマンダーの首都なのだから。
だが、そこにこそ、入り込む隙はある。
「世界樹挑戦の噂がホントなら、ぼちぼちいいアイテムが欲しくなるんじゃないかな、と思ってな。例えばアンタの防具、見たところ《クリンゾンローブ》のようだが、上級ダンジョンや邪神級
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ