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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:接触
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、いや、そういうことじゃないんだが───」
慌てふためくゲツガを前に、ユキは一人、ふふふと笑った。
「え?
決闘試合
(
バトルロワイヤル
)
?」
それは、最前線で迷宮区を攻略中、ふと思い出したというような感じでコハクが言い出した言葉だった。ちなみに、そんな無防備で良いのか、と問われたら、今は休憩中なのである。
安全地帯の床は鋼鉄を思わせる鋼色の光沢を持つ金属でできているため、多少座り心地は悪いが、贅沢は言っていられない。
まぁ、かと言ってぐーすか爆睡している漆黒のロングコートを着込んだ男、ハザードには正直どうかと思うが。
それを横目で見つつ、俺、セモンは隣にちょこんと座る、肩の出た騎士装束の女性プレイヤー、コハクを見る。
「そ。あたしも出たかったんだけど、あいにく用事があってね。あんたを選手登録しといたから、絶対出ること。いい?」
「な、何で俺が……。普通、こう言うのって、きちんと確かめてから訊くもんなんじゃ………」
「あーもー、ごちゃごちゃうっさい!あんたは女か!!」
「違いますが」
「知ってるわよ!」
ぎゃーすか言い合うセモンとコハクの隣で、その騒音によってなのか、ようやくハザードが、んにゃ?とという少々情けない声とともに目を覚ました。
ハザードはまだ覚醒途中です、というような半開きの寝ぼけ眼でこちらを見た。
「おーおー、朝っぱらから仲がよろしいこって」
今は朝ではありません。
んー、と伸びをする親友を見、セモンは脳裏にピーンと閃くものがあった。
まぁそれは、やっべぇそうだいい生贄がいたじゃんこれ、という結構というかかなりどす黒い内訳だったのだが。
「そうだ、ハザードが出場したらいいじゃん。年がら年中暇人みたいなもんなんだし」
「おい、さりげなくと言うかかなりあからさまに悪口を言われたような気がしたんだが」
「嫌よ!もう選手登録しちゃったんだし!いくらハザードが一年中俺暇人ッスから、みたいな顔してても、用事くらいはあるでしょ?」
「もう俺泣いてもいいか?」
ぎゃーぎゃーぎゃーぎゃー
言い合ううちにも、時は過ぎていく。
「はあ!?何で俺の名前があるんすか師匠ぅぅ〜!!」
ホークは絶叫していた。そりゃもう絶叫していた。
今肺活量を計ったら、間違いなく自己ベストを更新するくらいに叫んでいた。
その手には、羊皮紙サイズのウインドウ。その中には、二十層で開催されるという
決闘試合
(
バトルロワイヤル
)
についての情報が乱雑に書き記されていた。
これを渡したのは、ホークの目の前にいる小柄な女性プレイヤー。ペイントアイテムで頬に書かれた三本の髭
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