第1章
旧校舎のディアボロス
第5話 人間やめました!
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「本当に知らないのか?」
「……ああ、知らない」
「……うん」
「またその話しか?」
「何度も言うが、俺達は天野夕麻なんて子知らないし、紹介もされてもいない」
俺は明日夏達に夕麻ちゃんのことを聞くけど、毎回こう答えられる。
……やっぱり夕麻ちゃんのことは夢だったのか?いや、だとしたら一体いつから?
確かに天野夕麻ちゃんは存在していた。だけど誰も覚えていないし、ケータイにあった番号もメールアドレスもきれいさっぱり消えている。それに体の様子もなんかおかしい。朝にすごく弱くなった。今朝だって体がものすごくだるくて起きられず、千秋が来てくれなかったら危うく遅刻するところだった。その分、夜になると体がものすごく活発になる。試しに夜中にダッシュをしてみたが、自分でも信じられない程の速度が出た。
そんな風にいろいろ考えていたら…。
「おいおい、大丈夫か、イッセー?」
「一回病院に行ったらどうだ?」
松田と元浜が心配そうに聞いてきた。
「ああ!? 大丈夫だよ!」
「本当かぁ? よし、今日は放課後に俺をの家に寄れ。秘蔵のコレクションを見ようじゃないか!」
「それは素晴らしい! 松田君、ぜひともイッセー君を連れて行くべきだよ!」
松田と元浜が笑顔を浮かべて告げてくる。
「……お前ら、またかよ……」
「あははぁ……」
明日夏は嘆息し、千秋は苦笑いをしていた。
「うるさい! 欲望で動くのが男だ!」
「欲望で動くのは否定しないが、たまには性欲以外で動いたらどうだ?」
「性欲こそ、男の一番の欲望だぁ!!」
「……やれやれ……」
明日夏達はそんなやりとりしている中、俺は千秋に話し掛けた。
「あぁ、千秋、なんかゴメン……」
女の子に聞かせる会話内容ではない為、俺は謝る。
「ううん、気にしなくて良いよ、イッセー兄」
千秋はあんまり気にしてない様だ。
思えば、千秋は俺達のエロい会話を聞いても苦笑いを浮かべるくらいで引いたりはしないんだよなぁ。
「さぁ、イッセー行くぞ!」
「俺達の青春をエンジョイしようではないか!」
「わーったよ! 今日は無礼講だ!」
夕麻ちゃんや体の件はこの際保留だ!
ー○●○ー
俺と千秋は帰路についていた。
「お前よくあの会話を聞けるよな?」
「あはは……」
まぁ、イッセーの好みを知れる一番の情報源だからだが。
千秋はイッセーの好みを知る為に、イッセー達のエロい会話を割と真剣に聞いている。
それに、イッセーのスケベ精神は幼少の頃からの付き合いで見慣れているしな。
イッセーの家に行った時に偶然見つけたエロ本をイッセーに隠れて読み込んでいた時もあった。素直になれない時もあるが、この様
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